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 2010年05月 

3分咲きから4分咲きへ 

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5月31日 今日の開花状況です。

昨日、3分咲きとお伝えしましたが、今日も開花が進み、全園見渡すと3分咲きと言うよりは4分咲き程度に開花が進んでいました。

上の写真は花菖蒲園のほぼ中央部から北側を見た様子です。

見事に咲いてきました。昨日も涼しかったのですが、開花は確実に進んでいます。

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この花菖蒲園の中央部にはキショウブと花菖蒲との交配によって作出された、黄花系の品種が多く植えられています。
これらの品種は早咲きのものが多く、ここ一帯はすでに見頃となっています。

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こちらは園の北端の入れ替えのできる鉢物の花菖蒲田の部分。ここは数日前より見頃を向かえています。

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今咲いている花の確認で、適当に撮ったカット。黄色は金冠、藤色は藤絞り、白にちょっと紫は出羽の里、ピンクは桃霞という品種。すべて当園作の早咲きです。

こうして見ると当園の品種も、早咲き系の品種の品種の割合が昔より確実に増えてきています。20年くらい昔なら、まだこんなに涼しい天候では確実に花が少ないであろう花菖蒲園が、この気候のなかでも品種数が多く、そしてよりカラフルになっています。

ただ、晩咲き系を最近は育成していなかったですね。今後はそちらにも力を入れないとな・・・と思いました。

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加茂荘の蔵や長屋門をバックに、良いカットが撮れるようになりました。

花の走りの今の頃は、最盛期より草に勢いのある画が撮れるので、ついつい撮ってしまいます。

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原里(はらさと)と、この地元の名前を付けた品種。こんな曇った日はとくに美しい、沈んだブルーに見えます。

この花を見た当園のスタッフが、原里だけじゃつまらないから、「原里の花」か何かにしたら・・・と言うので、いずれ改名するかも知れません。

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こちらは昨日に撮った銀の月(ぎんのつき)という品種。ともに当園の作花です。昨日は晴天でしたが、気温は低めで風も弱く多少雲も出たので、花の痛みもなく良い状態で撮れました。

こんなふうに、お蔵や長屋門、古寺などを入れて撮ると、当園独特の写真を撮ることができます。

今年もホタルが飛んでいます 

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5月31日 今年も当園の脇を流れる用水路で、ホタルが飛び始めました。今回はこのホタルについてお話します。

上の写真は、用水路の上を光りながら飛んでいるホタルを撮ったものです。

里山の大切さが改めて見直されている昨今では、ホタルがいなくなった小川に養殖したホタルを放虫し、ホタルのいる風景を蘇らせようという運動が盛んです。ホタルが見られることを謳い文句にしている観光地は、こういったケースが多いのではないでしょうか。

当園の脇の用水路で見られるホタルは、昔から原野谷川周辺にいた天然のホタルです。花菖蒲園近辺の原野谷川でもホタルは観察できますが、流れの緩やかなこの用水路は小さな場所なのに多くのホタルが毎年飛びます。

用水路のホタルが絶えることなく今も見ることができるのは、里山環境がまだ豊かに残っている証拠です。

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ホタルの光はかなり弱いため、上の写真はシャッターを30秒間、開けて撮りました。

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すると、ホタルの飛んだ軌跡が光のすじとなって、なんとも幻想的な写真を撮ることができます。ホタルは日没後、午後8時くらいまで活発に飛び回るので、この時間に合わせて訪ねると良いと思います。

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撮影のため、ちょっとの間だけ集めました。この日見たのはゲンジボタルですが、ここではヘイケボタルも見ることができます。ゲンジボタルはヘイケボタルに比べてサイズが大きく、ゆっくりとしたペースで点滅します。

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ゲンジボタルの幼虫の主食であるカワニナ。幼虫はこの貝を食べて育ちます。幼虫は肉食ですが、成虫は草についた朝露など、水滴しか口にしません。

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砂利の岸辺が残る用水路。周りに生えた草花は成虫の休憩所となります。
十分に成長した幼虫は岸に上がって穴を掘り、サナギとなって、成虫になる準備をします。

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朝、この場所を訪ねると、お休みしているホタルがいました。

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こちらは交尾中のペア。大きい方がメスです。実はホタルが光るのは求愛のため。メスの目に適ったオスだけが子孫を残すことができるのです。

成虫の寿命は2週間程度。その短い寿命の間に、精一杯光って、次世代へとバトンを繋ぎます。

文章,写真:西村

ただいま3分咲きです。見頃に差し掛かりました。 

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きょう、5月30日の園内のようすです。きょうは一日を通して気温はやや低めでしたが、太陽も出ましたので肌寒くはなく、過ごしやすい一日でした。

露地植えの花菖蒲は一日ごとに花数を増やしており、見頃に差し掛かってきたと言って良い頃になりました。今後も日ごとに花数が増え、今週末ころからは最盛期に入ると思います。

何分咲き・・・という表現で言うのであれば、全園を見渡すと3分咲きほどでしょうか。

でも、最盛期でも全園の6分程度の開花なのです。

え!?と思われるかも知れませんが、花菖蒲は短命な花なので、今咲いている品種は、最盛期の頃には咲き終わっていしまいます。最盛期であってもまだもこれから咲く花の蕾、そして咲き終わった株も見られるわけで、ですから、一面満開とはならないのです。

でも、花菖蒲園は花を横から眺めますので、3~4分も咲けば、けっこう満開っぽく、たくさん咲いているように見えてしまうというわけです。

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今年は極早咲きの峰 紫(みねむらさき)を、すこし作りすぎてしまって、園内に並べたら、花菖蒲園が、かなり紫寄りになってしまいました。来年は少し減らそうと思っています。

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奥の地植えの部分も、昨日よりさらに花が咲いてきたことがお分かりいただけるかと思います。

まだ最盛期とは言えませんが、今週は、緑の葉の上に浮かぶ花が美しい頃となりそうです。これはこれで、最盛期とはまた別の良さがあります。

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犬を連れてご来園のお客様がおられましたので、許可を得て撮影させていただきました。

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毎年来園してくださる、ピレネー犬のアイちゃん。アルプス生まれの犬種のアイちゃんには少し暑いかな?

当園はペット同伴でのご来園もOKです。ペットを連れてご来園の際は、必ずリードを付けて他のお客様のご迷惑にならないように、また糞尿処理を行っていただければと思います。

でも、みなさんマナーを守っていただけるので、これまでトラブルのあったことはありません。私たちスタッフも、期間中いろいろな動物(ほとんどワンちゃんですが・・・)に会えてそれがまた楽しいです。

5月29日 開花状況 

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5月29日 きょうの午後の園内の景色です。きょうはお昼前後に雨がありましたが、強い雨でもなく、午後には止んで夕方には晴間も見られました。

上の写真は、花菖蒲園の北端からのようす。入れ替えのできる鉢仕立ての部分です。

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きょうは週末ということで、写真を撮影されるお客様をはじめ、お昼時には家族連れなどのお客様で賑わっていました。気候も暑くも寒くも無く花菖蒲を眺めるには最適で、みなさんのどかな花菖蒲園を楽しまれていました。

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こちらは加茂荘の長屋門前の花菖蒲田。ここの部分は地植えの圃場です。ここの部分はまだ咲き初めでこれからです。

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花菖蒲園の奥の地植えの部分です。望遠レンズで寄せていますので、かなり咲いているように見えますが、実際には2分咲きほどです。ですが、咲き始めの蕾の状態が多く、地植えの園全体、とてもフレッシュな感じがします。

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園内では日に日に咲き出す品種数が増えてきています。この花は前回の記事でもご紹介した、銀の月という品種。紫に白の糸覆輪の入る三英花です。

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お蔵をバックに花菖蒲を撮影すると、花菖蒲の花色がお蔵の白壁に映えて綺麗です。

きょうは花はまだ少し早かったかも知れませんが、気候も穏やかでのんびり花を眺めるには最適な一日でした。明日も天気が良いそうで、入梅前の花菖蒲日和となりそうです。

咲き始めた地植えの花菖蒲 

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5月29日 きょう2本目 地植えの花菖蒲が見ごろにさしかかってきました。

当園の花菖蒲の圃場は、入れ替えのできる鉢物部分と、路地植え部分に分かれています。鉢物部分は先日お伝えしたように、すでに見ごろを迎えていますが、5月も末になり、路地植えの圃場も多くの蕾が上がって、花が咲き始めてきました。

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今咲いている品種は、峰紫、桃霞、連休白、北洋、黄花の花菖蒲の系統など、先日来ご紹介した極早咲きの品種のほかに、ここ1~2日の間に早咲き系の品種も咲き始めています。

上の写真の花は早咲き系の長井古種系の出羽の里(でわのさと)という品種です。

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この出羽の里(でわのさと)は、当園の作出で、もう作出されて10数年経ちます。花の直径がおよそ7cmほどの小輪花ですが、可愛らしく人気の高い品種です。

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長屋門前の圃場でも、様々な品種が咲き始めています。写真は銀の月(ぎんのつき)という品種で、この花も当園でここ数年前に作出された品種。紫に白い縁取りが掛かり、草丈が高く丈夫な花菖蒲園向きの品種です。

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まだ緑色の部分が多いですが、よく見ると蕾がいっぱいです。様々な品種が一斉に咲き出すのも、もう秒読みの段階になってきました。これからの1週間から10日で、花数が毎日どんどん増え、最盛期の状態になってゆきます。昨日はその直前の状態でした。

今の咲き始めの爽やかな花菖蒲園の姿も美しいし、もう少し咲き進んだ最盛期の数日前頃の様子も、花や株に元気があって、それはそれで美しいです。

これからの花菖蒲園は、日々、そして時間ごと刻々に変化しながら花数を増やしてゆきます。

そんな微妙に変化してゆく園内の様子を、これから開花の最盛期に向けてお伝えしてゆきたいと思います。


メディアの取材 

5月29日 今日は当園の開園期間中、行われるマスコミの取材についてご紹介いたします。マスコミの取材は、花菖蒲の開花最盛期に先駆けて行われることが多く、ちょうどこの時期にあたります。

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上の写真は27日に行われた、静岡朝日テレビの取材の様子です。
6月3日の「情報ザウルス」(午前10:28-10:33)内にて放送予定です。

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写真左がスタッフの永田で、久々の収録からか、緊張しているようでした。

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リポーターは、畠 ゆみこさん。笑顔が素敵で、魅力的な方でした。

当園招待券が番組内プレゼントとして用意されていますので是非「情報ザウルス」をご覧ください。

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上の写真は28日に行われた、浜松エフエム放送の取材の様子で、「すずきしずかの金曜ラジオ」内の「それ行け!おじゃマン」という中継コーナーです。名物リポーターの上嶋 潤さんが、県西部地域のさまざまなスポットに、ギターを抱えてお邪魔し、自慢のギターと歌でその魅力を伝えています。

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上の方が上嶋 潤さん。実は今年で3度目の取材ということで顔なじみであったりします。いきなりギターを弾きならし、大きな声で歌うので、お客さんが驚いていました(笑)

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最後にスタッフの永田と一緒に撮ってもらいました。

このように、花菖蒲の見頃に差し掛かる頃には、様々なマスコミからの取材を受けます。マスコミの取材には本当に助けられています。取材していただき、ありがとうございました。


文章,写真:西村

よもぎだんごとおはたきもち 

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5月28日 きょうは当園の名物、よもぎだんごとおはたきもちについて、ご紹介いたします。

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よもぎだんごは、ヨモギの新芽がふんだんに入った当園特製のおだんご。花菖蒲園内の休憩所脇のおだんご店にて販売されていて、一皿400円です。


このだんごは、春に近隣の野山に生えるヨモギの芽を摘み取り保存しておき、販売する日の朝にうるち米のごはんとこのヨモギをまぜ臼で搗いて丸めたものです。

なぜ当園がこのだんごをこだわって作っているかというと、このおだんごには端午の節句の厄除けの意味もあり、別名あやめだんごとも呼ばれているからです。

花菖蒲という園芸植物が発達したその元になった、端午の節句のあやめの文化。端午の節句の日に香気のあるサトイモ科のショウブやヨモギで軒を葺いたり、お風呂にいれたりしました。ショウブとともに端午の邪気を払うとされたヨモギ。だからヨモギがふんだんにはいったこのおだんごも、あやめだんごと呼ばれているというわけです。

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添えられている餡も当園特製のもので、それほど甘くなくあっさりとしたおいしい餡です。

この餡をよもぎだんごに乗せていただくのですが、最初はほんのり甘い餡の味。そしてヨモギがほんとうにふんだんに混ぜてあるので、噛んでいるとヨモギの香りが口いっぱいに広がります。

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おはたきもち 
このもちは、当地方の郷土料理の一つで、こごめ(ウルチのくず米)の粉を蒸かして、もちに搗いて棒状にしたものです。

その昔、はたいて捨てたようなくず米を「もったいない」からということでもちにしたのがその始まりといいます。

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当園のおはたきもちは、今は、玄米を3分搗きにして炊いたものを臼で搗いて餅にします。餅はその後、手で成形し、直径およそ8cm、長さおよそ50cmの棒状にします。

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冷蔵し、お米の粘り気を抑えることで切りやすくします。そして2センチ弱の幅で切り分けます。

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こちらはヨモギをいれたおはやきもちの断面です。よもぎがたくさん入っていて、ごはんもかなり粗いことがおわかりいただけるかと思いますが、ほぼ玄米のごはんなので、かんでいると素朴でこうばしい玄米の香りがなんとも美味しいお餅です。

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このおはたきもちは、花菖蒲園内の休憩所脇のおだんご店にて販売されています。2切れ一皿で300円です。

今年は、この春から入社した、新人の梶浦君が焼いています。

当地方の郷土料理です。他ではなかなか食べられないので、ご来園されましたら、ぜひお召し上がり下さい。

5月26日の開花状況 

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5月26日 きょうの開花状況です。このところ強い風雨や気温の低い日もありましたが、花菖蒲の開花は確実に進んでいます。上の写真は花菖蒲園の北端から撮影したものですが、手前の部分は入れ替えのできる鉢仕立てなので、すでに十分見頃を迎えています。

今咲いている品種は、ほとんどが当園で育成した極早咲き系の花で、濃い紫色の峰 紫(みねむらさき)、青紫の北 洋(ほくよう)、白花の連休白(れんきゅうしろ)、ピンクの桃 霞(ももがすみ)など、極早咲き系の当園の定番の品種です。

この写真の場所からだと、すでに最盛期に近い状態ですね。きょうは一日中晴天で、風が強く、花菖蒲には良いコンディションではなかったですが、花はかろうじて持ちこたえているようでした。

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こちらは地植えの部分です。地植えの部分は6月の中旬くらいに開花の最盛期が来るように、中咲きの品種が多く、極早生咲きの品種は少ないので、いまだこんな感じですが、それでも極早生咲きとともに、早咲き系の品種も咲き始めました。

ですがどうでしょう。様々な品種の開花の進み具合から言って、今年は今のところ例年のおよそ3日遅れかなという感じです。それほど、遅くもありません。

昨年の最盛期のなかで一番だと私が思った日が、6月7日前後でした。その分からすると、今年は6月10日前後にピークが来そうな感じです。

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極早咲きの諏訪原城(すわはらじょう)という品種。戦国時代に近隣の菊川にあった武田軍の出城からの命名で、当園の作出です。この花を作ったとき、「名前何にする?」と当時働いていた園の同僚に聞いたところ、その人が菊川の出で、地元の旧跡の名がいい。とのことで、この名に決まったものです。

この花は、白に青の立ち弁がさわやかな感じの二色花で、人気があります。

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こちらは極早咲きの桃 霞(ももがすみ)。当園の作で、桃色では定番の品種です。花色もやや濃く、花に藤色味を感じさせず、早い時期の花菖蒲園を明るく彩ります。

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加茂荘の蔵前のスイレンも、とてもきれいに咲いています。

花菖蒲園は、助走期間を経て、今度の週末くらいから見頃に差し掛かると思います。

当園のおみやげ特集 

5月26日 今日は園内の売店で売られている、オリジナル商品をご紹介いたします。

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当園のオリジナル商品としては、庄屋料理のために年間を通して仕込んだ、食品の数々がまず挙げられます。

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昔ながらの調理法にこだわって作った食品。これは従業員自らの手作りで、添加物・保存料を使っていないので、安心してお召し上がりいただけます。

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上の写真は試食分を撮影したものです。右から順に、しょう油の実、たくわん、紅生姜、味噌となります。

しょうゆの実は、寝かした「もろみ」にユズ、ショウガ、シソの実、ナスの干したものを混ぜて漬け込んだ珍味です。ユズとショウガの風味が良く、ご飯は勿論、お酒の肴としても最高です。

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梅干しを漬けたあとの紫蘇の葉を乾燥させて作った、ゆかりです。ご飯のお供に最適です。

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当園では、伝統食品以外にもさまざまなオリジナル商品をご用意しております。

上の写真は、富士花鳥園で採れたベゴニアの花を用いた羊羹です。こちらは他では決して食べることができない珍品で、ベゴニアのほのかな酸味が利いた、甘ずっぱい羊羹です。これとは別に、ヨモギをふんだんに使った、ヨモギ羊羹もございます。こちらは甘さ控えめで、ちょっぴり大人の味です。

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加茂荘の味噌とヨモギを使った饅頭です。中にはあんこが入っています。ヨモギ饅頭の味は、想像しやすいと思いますが、味噌饅頭は如何でしょうか?

あんこと味噌があんなに合うなんて…驚きです。

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社長の亡くなられた奥さんがもう30年も昔に描いた、花菖蒲の絵をモチーフにしたハンカチとスカーフです。かれこれ20年以上販売されている当園随一のロングセラー商品です。

この季節、ここでしか買えない商品をたくさん取り揃えておりますので、ご来園の折には、是非ご覧ください。

文章,写真:西村

花菖蒲の写真撮影について 

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6月になると毎年大勢のカメラマンの方がご来園されます。


5月25日 きょうは花菖蒲の写真を撮る場合のコンディションについて、お話いたします。

昨今では携帯から一眼レフまで、ご来園されるお客様のかなりの方が、何らかの撮影できるアイテムを持ってご来園されます。写真グループの撮影会も多く、年輩の方がしっかりとした一眼レフのカメラを持ってご来園される光景もこれからよく見られますが、その被写体である花菖蒲のことを知って撮影に来られると、より美しい花、園を撮ることが出来ますので、そのことについて書いてみます。

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強い雨に打たれた花


●ポイントその1 花菖蒲は強い風雨に弱い
花菖蒲は雨の似合う花ではありますが、花弁が柔らかで風雨に弱いため、強い雨風にあたると簡単に花弁が痛んでしまいます。梅雨の小雨程度なら良いのですが、本降りの強い雨が降ると花が痛んでしまい、良い写真が撮れません。

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梅雨の小雨なら、かえってしっとり美しく撮れます。

●ポイントその2 直射日光にも弱い
同様に直射日光にも弱く、強い日差が当たると花弁の水分が奪われ、花弁にハリがなくなり花形がだれて来るので、こうなったらやっぱり撮れません。また、強い雨の後で強い風が吹き、晴天になったような場合は、花菖蒲園は見る影もなくなります。

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雨の後に強光にさらされた花


●ポイントその3 強く傷むと花の回復に2日かかる。
強い風雨や直射日光によっていったん痛んだ花は、回復することなく萎んでしまいます。その後次の日にあたらしい花が咲き、その花が伸び広がり、また次の日に花が咲き、それでやっと花菖蒲園の景観はもとの状態に戻ります。強い風雨や強光によって大きくダメージを受けてしまうと、回復までに2日かかりますので、当日の天候もさることながら、その前の日の天候等も重要になってくるというわけです。

●ポイントその4 早朝に撮影したいところですが・・
園の風景を撮影される方は、人気のない早朝にご来園され撮りたいと希望される方も多いです。ですが、ここでも問題があります。
花菖蒲の花は3日しか持たず、朝にはその前の日の午後に萎みはじめた花の萎みがたくさん枝先に付いています。写真を撮ると、この萎みが画面に入ってしまい、後で見て写真にならないことに気づくのですが、さらに朝方はその日に新たに咲き始める花がまだ完全に開いていないので、萎んだ花はあるし、今日咲きの花はまだ開ききっていないということで、風景として見ても今ひとつ冴えない色彩にしか撮れません。朝は、花菖蒲の花数がいちばん少ない時間なのです。

これが、朝からの萎み摘みが大方になり、その日新たに開花する花が咲き広がって来るのが午前10時頃。そして正午近くになるまでの約2時間が、花菖蒲園が一日のうちでいちばん美しい時間なのです。そして正午を過ぎると風が出やすく、特に午後2時を過ぎると、いくら曇の日でもなんとなく花に勢いがなくなってきます。


●結論
このようなことから、花菖蒲の写真を撮るには、曇りの日が2日続いた日の午前10時から正午頃がベストということになります。

そんな都合の良い天候など、なかなか無い!と思われるかも知れませんが、梅雨時の前半は、どんより曇るだけの、撮影にまことにおあつらえ向きの天候が続きます。やはり花菖蒲は梅雨のはじめの曇った空の下でこそ美しく咲ける花です。

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2007年6月4日撮影

その曇った空から、一瞬光が降り注ぐくらいの時に撮ると、光の関係で園が鮮やかに花も勢い良く撮れます。梅雨の前半は、割とこんなチャンスに恵まれます。


撮影にお越しの際は、こんなことも考慮していただければ幸いです。

なお、当園は、三脚持込OKです。良い写真をたくさん撮っていただければ、私達も一年間栽培した甲斐がありますので、どうかよろしくお願い申し上げます。


古寺にて志戸呂焼の展示会が開催中です 

5月24日 今日は加茂花菖蒲園にある古寺にて行われている、志戸呂焼(しとろやき)の展示をご紹介いたします。

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志戸呂焼は、当園のある掛川市のお隣、島田市金谷に伝わる陶芸で、約400年の歴史があります。
時の将軍、「徳川家康公の御用窯」として、また茶人、小堀遠州」より「遠州七窯」に数えられた由緒ある伝統工芸で、原料の粘土は細かく、重いため、出来上がった器は、堅牢でやや重量感のあるものに仕上がります。

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鉄を多く含んだ、鉄釉と呼ばれる釉薬を中心に釉掛けされるため、焼味は渋く、素朴な印象を受けます。
染付の伊万里焼と比べると志戸呂焼は一見地味ですが、よく見ると、火の当たり具合や釉薬の乗り具合、釉薬の中に含まれる不純物の微妙な違いで、いろいろな色が混ざり合った不思議な色彩となり、飽きが来ません。

展示をされているのは細井 陶游(ほそい とうゆう)さんで、ご好評頂いた去年に続いて2度目の出展となります。

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黒柿釉の茶碗。

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黒地に、釉薬に含まれる鉄分が輝く、美しい茶碗。

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江戸後期から幕末にかけて志戸呂で焼かれたとされる紅釉を再現された壺。



陶游さんは、「地元の島田市でさえ、志戸呂焼を知っている人は少ない。加茂花菖蒲園は遠方からの来園者も多く、志戸呂焼を知ってもらういい機会」と話されます。

年間の中でも当園での出展を楽しみにしておられますが、それは、展示会場である当園の古寺が、とても侘びていて、この焼き物に合っていること。そしてこの焼物を理解できる目の肥えた方がご来園いただけることにあるようです。

ご来園の際は、是非古寺に足を運んでいただき、志戸呂焼をご覧いただければと思います。展示と並行して販売も行われております。茶を嗜まれる方にはリーズナブルな価格設定となっておりますので、購入もご検討ください。

なお、細井氏の窯元へも、折がありましたらぜひ来ていただきたいとのことですので、よろしくお願い申し上げます。

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志戸呂焼 質侶窯 細井陶游
〒428-0019 静岡県島田市志戸呂1069-4 電話:0547-46-2133

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取材の最中、野うさぎがひょっこり。焦ってしまってキレイに撮れませんでした。自然が残る当園だからこその遭遇でした。

文章,写真:西村

開園初日の園内 

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5月23日 昨日から今年の花菖蒲園の開園シーズンが始まりました。現在の花菖蒲の開花状況は、園全体で見るとおよそ1~2分咲きといったところで、見頃にはまだまだですが、まだまだ咲き始め、これからです。

今年は春から5月半ばまで例年よりやや寒く、開花が遅くなるのではと危ぶまれましたが、ここへきて昨日きょうと27℃ほどまで気温が上昇し、花菖蒲の開花も平年並みに戻った感があります。

この上の写真を見ると、1~2分より多く咲いているように見えますが、この部分はポット仕立ての花菖蒲で、入れ替えができるようになってうるため、たくさん咲かせることができます。

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園の奥の地植えの部分は、こんな感じ。 まだまだですが、でも地植えはあまり早く花が咲いてしまうと、それで終わりになってしまうので、開花のピークはもう少し先になってもらわないと。

今年は6月10日くらいがピークかな・・・なんて思います。

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園内では花菖蒲以外にも、写真のキョウカノコや白い花を咲かせるヤマボウシ、つる性のテイカカズラなど、毎年この時期に咲き出す花も咲き始めました。

それとともに、今日から開園時に園内の様々な場所で出店されるクラフト製品の作家の方たちにも一年ぶりにお会いし、ことしも開園が始まったなあとあらためて思いました。

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当園は、昭和の32年から、ご来園されたお客様からお金を頂いての開園が始まりました。

終戦後、加茂荘は庄屋屋敷にて割烹旅館を営んでいました。花菖蒲は今の社長の母親が好きで、長屋門前に広がる田圃のいちばん門の手前に植えられていましたが、社長がそれを増やしたところ6月に花を見に来られるお客様が増え、もっとたくさん花菖蒲を植えたところ、さらに多くのお客様が訪れるようになり、そうならと来園客から入園料をいただき、花菖蒲園経営を始めたのが昭和30年です。

それから今年で55年目。約20年前に今の富士花鳥園を造ってから年を追うごとに会社は大きくなり、今では全国に5つの園を運営し、さらに今年は中国へも進出し、上海万博へも協賛するまでになりました。

今では加茂花菖蒲園の子どもや孫にあたる掛川花鳥園などの花鳥園が多くの人に知られ、そちらが当グループの稼ぎ頭になっています。

そんななかで加茂花菖蒲園は、当グループの創業の原点として、また、自然や生物との調和共存を概念とする当グループの方向性の原点として、のどかな山里のなかで今年も例年通り花菖蒲を咲かせ、江戸時代より伝わる料理でお客様をもてなし、独自に改良した花をお見せしてゆきます。

今日から開園! 

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5月22日 今年の加茂花菖蒲園は、今日から来月27日まで開園いたします。去年まで、促成栽培を行うことでゴールデンウィークから花菖蒲が見られるようにしておりましたが、花菖蒲本来の季節の中で咲く花をご覧頂こうということで、開園期間を若干短くいたしましたが、花の見ごろに開園しているのは例年通りです。

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22日現在の花菖蒲の開花状況は早咲き品種を中心に、全体の1~2割咲きといったところでしょうか。昨日は27度まで気温が上がり、大変暑い日となりました。このまま高い気温で推移すれば、5月末あたりには見ごろに差し掛かるかと思います。
今年から、これまで鉢植え圃場だった長屋門前の菖蒲田を地植えにしたので、今年はこの部分の花菖蒲の草丈も高く伸び、花も大きく咲きます。写真撮影をされる方には、加茂荘の長屋門をバックにした、美しい花菖蒲園の姿を撮影できると思います。

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温室内では加茂花菖蒲園オリジナルアジサイ、加茂セレクションが咲き始め、6月中旬頃から見ごろになると思います。

例年通り、開園期間中、無休となります。今年も沢山のお客様に会えますように。

開園当初のアジサイ販売品種 

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5月21日 明日から花菖蒲園の開園シーズンが始まります。きょうはその園内で5月22日から販売される、アジサイのことについて、ご紹介いたします。

当園がアジサイの改良に取り組み始めたのは1991年頃からで、1994年には新花が咲き始めました。そして2000年代の始めには新品種も大きな株となり、園内を飾り始めるとともに、2003年から園内売店にてそれら改良されたオリジナル品種の販売が始まりました。

これらのアジサイはその後、これまでに無いタイプということもあり、大手種苗会社で販売されたこともありましたが、今ひとつ普及には至りませんでした。しかし、その後この3年ほど前から愛知県の渥美半島の生産農家を中心として当園のアジサイが注目され、当園と栽培契約を結んで、今年の春から渥美の生産農家が育成した当園のアジサイが市場に登場し、大きな反響を呼んでいます。

これら当園にて育成されたアジサイは加茂セレクションの名で市場に出まわり、静岡県下では大手ホームセンターなどでもこの春販売されました。

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上の写真は掛川市内の近所のホームセンターで写したものですが、入り口に当園のアジサイが並べられていました。出来もさすが生産者だけあって、当園よりはるかに上手で、立派な花付き株が並んでいました。

同じ品種でも、酸性、アルカリ性を使い分け、青とピンクに咲かせています。

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上は、今月22日から当園で販売されるアジサイ苗。

当園の販売用アジサイ苗は自然作りなので花はまだこれからで、今年は3月の末に例年にない寒波の影響で霜害を受け、販売できなくなった品種もありますが、それでも開園当初から下の12品種が園内の売店に並べれます。

↓ 名前をクリックで各品種解説のページに飛びます。

ダンスパーティー  てまりてまり  森の泉  涼 泉  ホワイトエンジェル  清少納言  姫小町
初 恋  ほろ酔い  舞孔雀  星花火  綿帽子 

 
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また、今年の3月よりアジサイ通販ページを新設いたしました。こちらは現在のところ花菖蒲園開園期間にあたり、通信販売の発送は休止しておりますが、ご注文は受け付けております。今年の7月上旬より、発送を再開致しますので、こちらもよろしくお願い申し上げます。


加茂荘のきゃらぶきの作り方 

5月20日 先日はきゃらぶき用のフキの採集についてご紹介いたしましたが、今回はそのフキを使って、庄屋料理などに入れるきゃらぶきの作り方を順を追ってご紹介いたします。

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まず、フキを5センチくらいの長さに切ります。

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沸騰したお湯で10分程度下ゆでをします。これはフキの表面に付いた細かな綿毛とアクを取るためです。

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下ゆでしたフキ7キロに対し、醤油2リットルとお酒500ミリリットルを入れ、煮込みます。

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そうするとアクがまた出てくるので、それを掬い取ります。

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ある程度アクが出なくなったら落とし蓋をして、弱火で5時間ほど煮込みます。

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加茂荘特製きゃらぶきのできあがり。
砂糖も、みりんも、ダシも使わない、田舎の保存食です。作ったきゃらぶきは急速冷凍し、その都度解凍して料理に使います。

今回、取材のため、フキ採りからきゃらぶき作りまで初めて追いかけてみました。
野山にある自然のものを自分たちで採ることは、大変ではありますが、安心・安全な料理をお客様にご提供できる、非常に意義のあることだと強く感じました。

当園にお越しの際は、保存料などを使わず、昔からの作り方にこだわった、庄屋料理の名わき役きゃらぶきを是非お召し上がりください。

文章,写真:西村

今年の花菖蒲の開花予想 

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6月2日の様子

今年の花菖蒲の開花予想です。現在の気候をもとに例年の開花状況を考慮して予想してみました。

※ このページは、日々の気候の移り変りを見ながら、気が付いたときに更新してゆくことにします。ご来園時のご参考になれば幸いです。




6月9日改訂
5月22日~5月末日頃 1~2分咲き~
22日の開園当初は花がまだ少なめですが、日ごとに花数は増えてゆきます。5月末頃には鉢物の花菖蒲田部分は極早咲きの品種も咲き進み、かなり見られるようになってきます。期間の終わりになるにしたがって花数が増えます。

● 多目的温室内では、当園オリジナルアジサイ加茂セレクションの花がすでに開花しています。

6月1日~5日頃 見頃を迎えます
3分咲きから日に日に花数が増え、週末には最盛期にかかってきます。周囲の新緑や花菖蒲の葉の緑に浮かび上がる花が美しい頃です。この頃は気候もまだ涼しく、満開とは別のもうひとつの見頃と言えます。

● 多目的温室内では、当園オリジナルアジサイ加茂セレクションも見ごろを迎えています。

6月6日~10日頃 最盛期
露地植えの花菖蒲は最盛期を迎えます。このところ晴れで気温が高い状態が続いたため、最盛期を迎えるのが幾分早まりました。

● 露地圃場は開花最盛期を迎えますが、極早咲きは開花が終わりますので、最盛期でも終わった花、まだこれからの蕾などがあり、桜のソメイヨシノのような、いわゆる「満開状態」にはなりません。

● またこの期間は、鉢物圃場の極早咲きが咲き終わる頃で、スイレン池前の鉢物部分は花が少し少なくなります。

6月11日~15日頃 最盛期
開花最盛期の状態が続きますが、露地植えの圃場は最高の状態から日が進むにつれ徐々に花数を減らしてゆきます。今年は6月13日の日曜日がご来園されるお客様がいちばん多くなりそうです。期間の終盤には露地植え部分は、やや花が少なくなりそうです。

● 多目的温室内では、ユリの花も咲き始めます

● 園内の露地植えアジサイも、この頃より見頃を迎えます。

6月16日~20日頃 5分咲き~
露地栽培の圃場は日ごとに花数が少なくなってきますが、晩咲きの品種もあり、一気に花が少なくなってしまうわけではなく、期間の初めの頃はまだじゅうぶん楽しめますが、それでも期間の終わりになるにしたがって、花数が減ります。

鉢物花菖蒲も咲き揃います。鉢物は珍しい品種も多く栽培していますので、それらの品種を目で見て購入できるこの時期は、花菖蒲好きにはいちばんねらい目な時期になります。

6月21日~27日頃 3分咲き~
露地栽培の圃場は花がなくなって来ます。園全体を通して、期間の終わりになるにしたがって、花数が減りますが、
鉢栽培の花菖蒲は、今年は閉園の27日まで花が楽しめると予想しています。

● 園内の露地植えアジサイは、最盛期となります。


昨年の園内景も参考になります。
なお、下のリンク先の昨年の開花シーズンの様子もご参考になります。昨年は今年よりやや開花が早く進みましたので、今年は昨年の日にちに3~4日足して考えていただければ大体かと思います。例えば昨年の6月1日の園内は、今年の6月5日頃と考えていただければと思います。

● 2009年5月の開花シーズンの様子   ● 2009年6月の開花シーズンの様子

5月18日の園内 

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5月19日 このところの汗ばむくらいの暖かさで、花菖蒲も日ごとに咲き始める花の数が増えてきています。昨日5月18日の園内の様子です。

現在咲いている花は極早咲きと言って、花菖蒲のなかでもいちばん早く花が咲き出すグループで、上の写真の北 洋(ほくよう)という品種など、このグループも多くが当園で育成された花菖蒲です。

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園内では今週末からの開園を前に、園内の浅池に鉢物の花菖蒲を搬入する作業を行っています。写真の八橋と呼ばれる木の板の枠のなかに、鉢で栽培した花菖蒲を並べてゆきます。

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また、今年は八橋の数も増えたので、池の中央にあるスイレンの部分にも近づいて写真が撮れるようになりました。スイレンはすでにたくさん咲いています。

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園内の露地栽培の部分はまだまだこれからですが、ここでも極早咲きの品種から花が咲き始めました。

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キショウブと花菖蒲との種間交配種のアイシャドウアイリスのグループも早咲きで、このグループも日ごとに咲き始める品種が増えて来ています。この花はその仲間のうちでも早くから咲き出す竜 眼(りゅうがん)という品種。花の中央部の目の周囲が黒く縁取られ、そこからアイシャドウアイリスと呼ばれます。

今週は明日明後日と天気がくずれるようですが、週末は気温が上がり、花菖蒲もより多く咲き始め、春の天候不順からどうなることかと思いましたが、何とか開園が始められそうです。


当園周辺に生息する野鳥 

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5月18日 きょうは加茂花菖蒲園周辺に住む野鳥について書いてみます。

加茂花菖蒲園の周辺は田園地帯なので、民家などもありますが比較的自然が多く残っています。そんな中で、野鳥の類もそれほど珍しい鳥はいませんが、田園地帯ならではの鳥が年間を通して多く見られます。

まず上はカワセミ。カワセミは近隣の原野谷川や、加茂荘庄屋屋敷の裏の池にも住んでいます。ときに花菖蒲園の中のスイレンの池にも姿を見せる事があります。遭遇率は低いですが、見つけた時はその青い羽根の輝きに感動してしまいます。

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年間を通して見られるのは、このモズや、もちろんスズメハシボソガラストビはいますし、ヤマバトツグミヒヨドリセグロセキレキセキレイなどもよく見かけます。

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特に春先から6月頃まではウグイスの鳴き声も多く聞かれます。花菖蒲園でもウグイスの鳴き声がよく聞かれ、ご来園されるお客様から、あれは録音したものを流しているのですか?と聞かれ、いいえ、本物ですよ。と答えることがよくあります。

小型の鳥の仲間は、ほかにホホジロメジロシジュウカラカワラヒワ。冬にはジョウビタキなども見られます。

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またツバメは、花菖蒲園外の作業棟の天上に巣を作っており、毎年多数飛来します。

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キジの仲間では、ニホンキジコジュケイがいます。この2種は声がよく通り、姿を見ることは希ですが、その声でいることがわかります。

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水鳥の仲間は、写真のカルガモカワウは年間を通して見られるほか、コガモも冬から春先まで見られます。

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また近隣に水田や川があるため、サギの仲間もよく見られます。写真のダイサギほか、アオサギは多く近くの水田ではいつでも見られます。

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ただアオサギは、姿は美しいのですが害鳥で、例えば園の池に小型の魚を入れたりすると、すぐ来て食べてしまいます。

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水田に生息するということでは、この春から初夏の頃にかけては写真のケリも水田で時々見られます。声は甲高く「キリッ、キリッ」と鳴き、ここからケリの名があります。ハトくらいの大きさでカモメのような白い翼を持っていますが、チドリの仲間です。

ほか、珍しいものとして、冬に山から下りてくるフクロウの仲間のオオコノハズクや、ハヤブサチョウゲンボウなどの猛禽類も希に遭遇することがあります。カケスも一度だけ間近で見たことがあります。

当園の周辺は、民家も多くなり近くに第二東名のインターも建設されるなかで、まだまだ身近に自然が残されています。

温室でアジサイが咲き始めました。 

5月17日 今日は温室内で咲き始めたアジサイたちをご紹介いたします。
当園は花菖蒲園で名前が通っているので、多くのアジサイ品種が育種・栽培されていることはあまり知られていません。当園では20年近く前からアジサイの改良に取り組んでおり、ダンスパーティーやてまりてまりなど、当園のオリジナルアジサイ「加茂セレクション」として一般のフラワーショップでも販売されるようになってきました。

このほかにもまだ一般に出回っていない魅力的な品種が多数あり、ご来園のお客様にご覧いただけるよう、少しではありますが、冬の間から温室内に入れて促成させました。

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このアジサイはピーターパンという品種で、最近育成された八重の覆輪タイプです。咲き始めなので色がまだ揚がっていませんが、これから色がさらに乗り、花弁の縁の白い覆輪とのツートンカラーが非常に美しい品種です。

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こちらはギャラクシーという品種で、こちらも最近育成された八重のテマリタイプです。ギャラクシー(=銀河)の名前の通り、小さな星型の花がまるで銀河のようです。花は最初、緑色をしており、花が大きくなるにつれて色が揚がっていきます(写真でも一部緑色が目立ってます…)。

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初恋という品種です。一重になりますが、花弁に切れ込みが入ったナデシコ弁で、可愛らしいガクタイプです。咲き始めは赤の覆輪が目立ちますが、咲き進むと覆輪が目立たなくなる代わりに藤色ピンクが全体に乗っていきます。上の2種と違って、咲き始めのほうが美しい品種です。

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エーゲ海という品種です。土の関係で赤が強く出てしまいましたが、本当はエーゲ海のような真っ青なブルーが似合う品種です。土のpHやイオンなど小さな違いが花色に大きな影響を与えるので、アジサイの花色を正確に出すのは難しいです。

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品種名がついてない花もたくさんあります。こちらは切れ込みの入った白い花弁のテマリ咲きで、今までにないタイプです。咲き始めのグリーンも美しく、涼しげです。

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こちらも未命名の花です。こちらは浅く切れ込みが入ったナデシコ弁で、わずかにピンクがかった藤色にうっすら白い覆輪が入っています。この花もテマリ咲きで華やかな花になりそうです。


販売可能な品種については園内の花売店にてお求めいただけますので、ご来園の際は、是非お買い求めください。

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また、今年の3月よりアジサイ通販ページを新設いたしました。こちらもよろしくお願いいたします。

文章,写真:西村

今日は暖か 

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5月16日 今年は天候不順で寒いとか言いながら、それでも今週末の花菖蒲園開園を前に、花菖蒲の花も咲き始めてきました。

22日の開園にどれくらい花が咲くかは、ほんとうに今後の天候次第で、今週が暖かな日が多ければ、それだけ咲き始める花も多くなります。

きょうは昨年も少しご紹介した、花菖蒲以外のこの季節の屋外の花をご覧いただきます。

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加茂荘の蔵近くにある庄屋屋敷の裏口付近に咲くスイカズラの花。別名の「忍冬」は、冬にも緑の葉を残し、寒い冬に荷耐え忍ぶことによります。「スイカズラ」の名はその漏斗状の花の元部に甘い蜜があるから。花からも甘いこの季節の香りがします。

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庄屋屋敷の裏の池にはノバラが咲いていました。この角度から見る花は、やや終わりですね。池には今年の春、姉妹縁の神戸花鳥園から、錦鯉が運ばれました。

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あたり一面、ノバラの甘すっぱい香りでいっぱいでした。

ノバラというと、軽井沢を舞台にした堀辰雄の小説「美しい村」を思い出します。大勢の観光客で賑わう前にノバラが咲くのは、小説でもここでも同じだなと、毎年この花を見るたび思います。

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そのノバラの池に、掛川花鳥園からカモなどもやってきました。

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この池のすぐ裏の山では、黒竹の筍も生え始めました。黒竹は幹の黒いハチクの仲間で、この筍もハチク同様食べられます。この地方でハチクの筍が生えて来るのは、例年5月の20日過ぎですが、この黒竹の筍はそれよりもかなり早く、5月の連休後には生えはじめます。

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極早咲きの北 洋(ほくよう)という品種の蕾もほころび始め、今週末の開園がいよいよ近づいてきました。


桜の季節の思い出 

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5月15日 今年の春の3月末に約10日間ほど加茂荘の庄屋屋敷を中心に撮影が行われた、映画「雷 桜」の製作部より、無事クランクアップしたとの便りとともに、撮影のお礼が届けられましたので、ご紹介いたします。

この「雷 桜」という映画は、4月29日のブログにてもお話しましたが、宇江佐真理の人気時代小説を映画化したもので、江戸時代の徳川家御三卿で清水家当主と、赤子のときに何者かにさらわれ山でオオカミのように育った娘という、身分の違いから決して交わるはずのない境遇の2人が、奇妙な木“雷桜”の前で出会い、決して叶わないと知りながらも運命の恋に落ちてしまうというお話。

主演は岡田将生さんと蒼井優さん。今年の秋、全国東宝系にて公開。

この作品について、詳しくははこちらをご覧下さい。

こちらのサイトは主演の2人について紹介されています。

上の写真はその脚本。廣木隆一監督のサイン入りです。

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この映画で加茂荘は、主人公の蒼井優の演じる「ゆう」の実家の瀬田の庄屋の家という設定で、庄屋屋敷内部、庄屋屋敷前庭、長屋門、加茂花菖蒲園の園内など、多くの場所で撮影が行われました。

江戸時代に建てられた加茂荘の庄屋屋敷内部での撮影は、連日100人ほどの撮影スタッフが屋敷内に詰めかけるため、ちょっとした不注意から庄屋屋敷内部に傷が付くことのないよう、スタッフの皆さんも、私たち加茂荘側の人間も、細心の注意を払いました。

朝はおよそ4時ないし5時から撮影準備が始まるので、その時間までに長屋門と庄屋屋敷の戸を開け、夜は10時から遅いときで12時時を過ぎたこともあり、双方、とても大変でした。

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そんな映画の製作スタッフからの、撮影のお礼に届けられた品々。こちらは監督 廣木隆一氏の「ひろきぐみ」の手ぬぐい。

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岡田将生さん、蒼井優さんはじめ、役者の方々からのサイン色紙も贈っていただきました。

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今年一番の桜の時期をご一緒させていただき、誠に有難うございました。

映画「雷 桜」は無事クランクアップ致しました。

皆様に育てられた桜は、秋に再び花開きます。

スタッフ一同の感謝を込めて。


大変だったこのロケへの応対も、今となっては早春の山桜が咲く頃の思い出として、少し懐かしく思っています。

そして、実際の映画のなかで加茂荘の屋敷がどのように映っているかとか、映画ではどんな内容になっているのだろうか、など、今年の秋の映画の公開を、待ち遠しく思っています。

庄屋料理に使うフキを採りに行きました 

5月14日 今日は当園の庄屋料理の中に入っている、きゃらぶき用のフキを採集に行った様子をご紹介いたします。
ほろ苦さが魅力のきゃらぶきですが、当園ではフキが若いこの時期に、全て自分たちで採っています。

フキを採るところは近隣の山の急斜面。地主さんに許可を得て入山します。

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この場所は元々クリ林で、点々と生えたクリの木の若葉がとてもきれいでした。
フキは木漏れ日が届く、明るい環境を好みます。クリ林はクリを採るために草刈りを行うため、フキの好む環境となったようです。

当園の従業員たちは20度近い斜面を物ともせず、せっせと登ります。

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調理スタッフの望月さんです。普段は掛川花鳥園でバイキング・スタッフの中心役として動いていますが、同時に当園の庄屋料理も担当してますので、フキ採りも自ら行います。

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フキは採ったその日にさっと茹でて、茎に付いた細かな綿毛を揉んで除きます。この日採取したフキは30キロ。この調子であと2,3回は採集に行くと思います。

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この後の調理の様子は次の機会に。

文章,写真:西村

今年はやっぱり、花がちょっと遅いかな? 

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5月13日 花菖蒲園の開園もあと10日を切りました。スタッフは開園に向けての準備に追われていますが、花菖蒲のほうも、やっとちらほら咲き始めました。

今年は4月が天候不順で、5月のこの季節になっても例年より若干寒く、花菖蒲の開花も今のところ例年より数日遅れています。今年の花菖蒲の開花は、このまま涼しい気候が続けば、6月に入って最盛期が後ろへずれてゆくと思いますし、温かさが戻れば、一気に咲いてきます。

ほんとうに、今後の天候次第です。

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今回ご紹介した写真は5月12日に撮影したもので、昨日は晴天で強くやや冷たい強風のなかでわずかな花が咲いていました。

今年の花菖蒲シーズンの始まりを告げる花ですが、やはり花菖蒲は6月の梅雨間近の、無風で湿度の高い空気のなかで咲くのがいちばん美しいです。

なぜかと言うと、花菖蒲の花の花弁はとても柔らかいので、強い日差しと強い風の下では花がすぐに痛んでしまうこと。もうひとつは、花菖蒲は開花してから時間が経つとともに花弁が大きく伸び広がるのですが、花弁が美しく大きく伸び広がるためには、花弁のなかに十分な水分があることが必要で、強い日差しと風の吹く環境では、水分が失われ満足に花弁が伸びないからです。

その点、5月に咲くアヤメは、花弁の質が花菖蒲よりも堅く、強風と晴天の環境でも花弁が痛みません。

花の咲く季節の環境に合わせて、花弁の質も出来ているわけです。

上の写真は花弁の質の強いキショウブとの交配種で竜 眼(りゅうがん)という品種。やはり極早咲きで咲き始めました。

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そして、先日ご紹介したカマヤマショウブ系のアヤメも、12日現在、まだみごとに咲いています。例年であれば、もう花も終わる頃ですが、この花を見ても、今年は数日遅いな・・・とわかります。

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当園の極早咲きの代表品種峰 紫(みねむらさき)の蕾もだいぶ上がってきました。例年でしたら咲き始めていますので、やはり数日程度遅いですね。

花菖蒲が盛んに生長し、花を咲かせる適温は23℃~25℃。今日も日中の最高気温は20℃前後でやや低く、それで花の咲き進み具合も遅れています。

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ですがまだ今日は5月13日。当園の花菖蒲の最盛期はちょうど一月後頃で、それまでまだ一ヶ月あります。

例年当園の花菖蒲の開花のピークは、6月の5日から15日前後。それを大きく外れた年はこの20年来ありません。

このまま低温ぎみの気候が続けば、花菖蒲の見頃に差し掛かる頃は、6月の初めに差し掛かるかも知れませんが、開花の最盛期にはそれほど影響はなく、6月の中旬に差し掛かる頃には最盛期を迎えるだろうと、思っています。


そして逆にこういう年は6月の後半まで花がかなり見られるので、涼しいい気候でやや花が遅れ気味のほうが、暑い年で花がすぐに咲き終わってしまうより、全然良いです。

宮ヶ島高架橋からの眺め 

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5月12日 先日の日曜日に「森・掛川ウォーキング」(天竜浜名湖鉄道主催・NEXCO中日本協力)がありました。

このウォークラリーは、全コースの9.5キロのうち、開通前の第二東名高速道路の森・掛川インターチェンジ(仮称)から東へ約1.5キロを歩くことができるというものです。その先に第二東名高速道路・宮ヶ島高架橋があり、こんな機会もなかなかないだろうと、高架橋のたもとで加茂花菖蒲園とその周辺を撮影してみました。

上の写真は、第二東名付近の高所より写した、第二東名の宮ヶ島高架橋と、加茂花菖蒲のある掛川市原里地域です。写真右の山の下に加茂花菖蒲園の建物が写っています。

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加茂花菖蒲園部分の拡大。写真中央の建物が加茂荘の蔵、そして右側の木立の間から見える建物が本宅、本宅の右手前に見えるのが長屋門となります。

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さらに拡大。よく見ると蔵の上にアオサギがいます。スイレン池のフナやザリガニを食べに来たのでしょうか。


5月1日のブログ内で加茂花菖蒲園のある集落は原野谷川によってできた谷だと書きましたが、上から望むとそのことがよく解ります。ゆっくりと時間をかけて土壌を削りながら、時には大水となって土砂を掻きさらうさまを想像すると、川の流れが長い年月をかけてつくった自然の造形は偉大で、畏敬の念を抱かせます。

宮ヶ島高架橋から上り(静岡・東京方面)に向かってパチリ

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歩いているのが高速道路だと思うとなんだか不思議な気分になります。数年後、私が立っている場所は時速100キロ近い車が行きかう場所になります。

開通予定の森・掛川I.Cは当園から3キロほどしか離れておらず、現時点での当園の最寄りの掛川I.Cや袋井I.Cからの来園時と比べますと、到着まで20分以上の短縮となります。

第二東名高速道路の開通予定はNEXCO中日本さんによると、平成24年度内となっています。できれば平成24年の開園前に開通してもらいたいものです。開通後はアクセスが格段に良くなりますので、これからも加茂花菖蒲園をごひいきに。

文章,写真:西村

5月10日の園内 

5月10日 花菖蒲の開花はまだまだですが、同じアヤメ科のアヤメが満開です。

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このアヤメは日本原産のものではなく、カマヤマショウブ(釜山菖蒲)といい、漢字の通り韓国原産の花です。古い時代に日本に持ち込まれたもので、国産のアヤメよりも草丈が高くなり、花色が濃いのが特徴です。

乾燥に強いため、当園では畑地に地植えされています。カマヤマショウブの花は丈夫で傷みにくく、強い太陽光や雨でもへっちゃらです。このくらい花菖蒲も丈夫なら、開園期の心配事が減るのですが(笑)

満開の様子をお客様にご覧いただけないのは非常に残念です。

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実はセブンシーズという改良品種で、カマヤマショウブのなかでも、より濃い紫になるよう改良されたものです。

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また池に植栽されたスイレンもぱらぱらと咲き始めました。スイレンは「温帯性スイレン」と「熱帯性スイレン」に分けることができますが、当園では冬越しが必要なため、ヨーロッパや北アメリカ原産の温帯性スイレンが植えられています。

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温帯性スイレンは熱帯性スイレンの花にあるような青色や紫色はなく、豪華さにおいては熱帯スイレンに劣りますが、株の増殖が旺盛で、たくさんの花を見ることができます。

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これはアトラクションという品種で、フランスの画家、クロード・モネがスイレンの風景画を描くために自身の庭に植えたスイレンの一つと言われています。日本では赤花のスイレンとしてよく普及しています。

これらスイレンは開園時期には見ごろとなりますので花菖蒲とともにお楽しみくださいね。


文章,写真:西村

花菖蒲 今年の見頃は? 

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5月10日 今の時点での、今年の花菖蒲の開花予想をお伝えいたします。

今年は春の天候不順のため、花菖蒲の成育は昨年よりやや遅れています。しかし、遅れていると言っても3~4日程度という感じで、すごく遅れているわけではありません。

現在、花菖蒲は極早咲きの品種がほんのわずかに咲き始めた程度で、上の写真のようにまだ全くと言って良いくらい開花していませんが、昨年も5月10日の時点では、露地栽培の花菖蒲は殆ど咲いていないのは同じでした。

そして、この分で行っても、5月下旬にはちらほら咲き始め、見頃は6月の5日~15日前後と、ほぼ平年並みの状況になると考えています。


上の写真は、加茂荘の長屋門前の花菖蒲田です。

この場所は、昨年までは鉢植えの花菖蒲を浅い池に置いていましたが、昨年の夏に改修し地植えにしました。

地植えにすることで、鉢栽培の株よりも開花期間は短くなりますが、草丈は高く花も大きくみごとに咲きます。ですから今年から、長屋門をバックにしたみごとな花菖蒲の写真が撮れるるようになりました。

ただ、花の最高に良いときはやはりそれほど長い期間ではありませんので、このブログにて、日々の状況をお伝えしながら、咲きぶりの良い頃にご来園いただきますよう、ご案内したいと思います。



私たち花菖蒲に携わる者は、今のこの株の出来具合を見れば、今年の花の咲きぶりがわかります。その目から見ると、私の判断ですと、今年はバツグンに良い出来ではないけれども、良く出来た年になりそうな気がしています。

とくに長屋門前にあたらしく出来た地植えの花菖蒲田は良く出来ています。

これは、花菖蒲が連作を嫌う植物で、同じ場所で長く栽培していると出来が悪くなる性質を持っているのですが、この長屋門前の部分は、これまで20年近く花菖蒲を植えた土ではなく、さらに新しい土も多く足したので、結果よく出来ているのです。今年、そして来年は、この長屋門前の花菖蒲はみごとに咲くと思います。


ここはぜひカメラマンの方に、長屋門をバックに咲くすばらしい花菖蒲の写真を撮っていただきたいと思います。

その好機も、追々ご紹介したいと思います。

ストレプトカーパスの新花 

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5月9日 今日は温室のストレプトカーパスの新花をご紹介いたします。
ストレプトカーパスはアフリカ原産のイワタバコ科の植物です。

もともとイワタバコ科の多くの種は熱帯から亜熱帯に分布するため、聞きなれない方も
いらっしゃるかもしれません。タバコにはなりませんので間違っても口に含まないでくださいね。

一輪の花の直径は6,7センチほどとそれほど大きくありませんが、まとまってたくさん
咲くためボリュームがあります。花持ちも良く、一輪の花で一週間ほど楽しめます。

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ストレプトカーパスは花色の幅が大きく、バラエティー豊かであるほか、比較的病害虫
に強く、葉挿しで容易に殖えるため、当園では10年ほど前から、品種改良を行っております。

今回、みなさんに開園前の当園オリジナル・ストレプトカーパスの新花をちょこっと
ご紹介いたします。

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藤紫にピンク色の絞りの入った豪華な花です。絞りの入った花はまだまだ珍しいと思います。

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小さなピンク色の丸い花弁が可愛らしいカーパスです。4センチほどの小さな花ですが
たくさんまとまって咲くのでボリューム感があります。

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白く縁取られた覆輪がワインレッドをより一層際立てていて、見ごたえのある花です。
目を凝らしてみると、網目状の模様が入り、珍しい花色です。

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紫色で、花弁の先にフリンジの多く、派手な印象の花です。当園ではこのような八重品種
の作出にも力を入れています。


なお、これらの花はまだできて間もない花なので名前がついていません。
開園期間中は売店にて花苗の販売も行いますので、お気に入りの花を見つけて
ぜひご購入ください!

アヤメの仲間の見分け方 

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5月7日 きょうはアヤメの仲間の見分けかたについて、書いてみます。

「いづれがあやめ、かきつばた」のことわざの通り、昔から見分けのつきにくいものの例えとしてよく話題に上るアヤメの仲間の見分け方。例年、6月の花菖蒲の時期になると、ご来園されたお客様から「ショウブと、アヤメとカキツバタの違いを教えて欲しい。」とよく問い合わせがよくあり、そんな時に上の画像を大きなパネルで表示しておいて、お見せしながら答えたりしています。

今回は、各種類の違いを簡単にご紹介します。

なお、ここでは、ハナショウブ、アヤメ、カキツバタの違いだけを紹介しました。このほかにもアヤメの仲間はジャーマンアイリス、キショウブなど多くの種類がありますが、それらを共に並べると煩雑になって、余計に紛らわしくなってしまうからです。

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まず、こちらが花菖蒲の原種、ノハナショウブです。中国東北部、ロシア極東部、朝鮮半島、そして日本に自生しています。草丈はおよそ70cm前後ほどで、花は直径およそ10cm内外の花を5月末~6月、寒い地方では8月初旬にかけて咲かせます。花色は写真のような赤紫色から、地方によって青紫色の花の咲く自生地など、地域ごとに微妙な変異があります。

園芸種の花菖蒲はこの花を元に改良されたもので、花形や花色が格段に変化に富んでいますが、花弁中央基部の黄色い目型模様だけは、どの品種も同じく黄色です。

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花菖蒲の原種のノハナショウブは、草原からわずかに湿り気のある湿原などに分布しています。本州では山岳地帯の高層湿原などでわずかに点在しているのを見ることができる程度ですが、本州北部の青森県や、北海道の海岸草原では広大な群落が見られる場所もあります。

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こちらはアヤメです。

アヤメはノハナショウブに比べると花形は若干小ぶりで8cm内外。草丈は50cm内外で、ノハナショウブに比べ葉は細く葉に葉脈が目立たないのが特徴です。開花期もノハナショウブよりも早く、関東以西の平地で5月上中旬頃に開花します。花弁の基部に網目状の模様があることが特徴です。

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アヤメはノハナショウブより若干乾燥にも耐えることができるようで、主に草原地帯に自生しています。また花菖蒲やカキツバタなどに比べかなり性質が丈夫なため、住宅の庭先などにも花のシーズンになると見かけることができます。


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そしてこちらがカキツバタ。花の大きさははノハナショウブとほぼ同じで10cm内外ですが、明るく透明感のある澄んだ藤青色が特徴です。花は平野部では5月上中旬頃に開花し、葉はノハナショウブよりも幅広く葉脈は目立ちません。

花弁元部の目型模様は白黄色で、この点が花菖蒲と明確に異なります。また、開花期が花菖蒲より約一ヶ月ほど早いのことも特徴です。

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カキツバタは、アヤメやノハナショウブよりも水けのある湿原地帯に自生しています。現在に残る平野部の自生地はすでに保護された場所であることが多く、愛知県刈谷市の小堤西池や、京都府北区の大田神社のカキツバタ群落などが有名です。

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最後に、こちらは先日もご紹介したサトイモ科のショウブ。

そしてこのショウブの存在が、アヤメの仲間を一気に、ものすごく紛らわしいものにしています。


このショウブは、漢字で書くと「菖蒲」であり、その漢字は「あやめ」とも読みます。

古くはサトイモ科のショウブも、アヤメ科の花菖蒲(ノハナショウブ)やアヤメも、ともに「あやめ」と呼ばれていました。サトイモ科を「あやめぐさ」、アヤメ科のほうは「花あやめ」などとも呼ばれましたが、「あやめ」とは、サトイモ科のショウブと、アヤメ科のノハナショウブ(花菖蒲)やアヤメの、共通の古名なわけです。

ですから、花菖蒲のことを「あやめ」と呼ぶ地方もあったりします。茨城県潮来町や山形県長井市のあやめ公園などがそうです。彼の地に植えてあるのは、アヤメではなく花菖蒲です。

また、花菖蒲のことを「しょうぶ」と簡略して呼ぶことも、「菖蒲」と簡略して書くこともあります。

ですが、植物学的には、ショウブとアヤメ、ハナショウブは、別の植物です。 ここがおおいに混乱してしまう原因になっています。


ついでに申しますと、動植物などを表記する場合にはカタカナ表記が原則ですが、当園では本来「ハナショウブ」とすべきこの花の表記を、あえて花菖蒲と、漢字で表しています。

これは、花菖蒲が古い時代からの端午の節句の菖蒲の文化の土台の上に、江戸時代以降の人々に愛好され、改良されたて出来上がった花であり、その歴史が「花菖蒲」という漢字のなかに、明確に表れているからです。

花菖蒲と花菖蒲園 

5月5日 きょうは、花菖蒲と花菖蒲園って、いったい何? ということについて、改めて書いてみます。


前回の記事で 花菖蒲は、この端午の節句の菖蒲の文化が土台となって、江戸時代に開花した日本の園芸文化であると言えます。 と書きました。確かにこのことが、この花菖蒲という園芸植物の起こりだと思います。

ですが、その植物を一ヶ所にたくさん植えて、「花菖蒲園」としているのはなぜでしょうか。

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堀切菖蒲花盛図 東京都葛飾区郷土と天文の博物館蔵

「花菖蒲園」という花菖蒲の鑑賞方法は、江戸時代の後期の天保年間に、江戸近郊の、葛西領堀切(現 東京都葛飾区堀切)で起こりました。

この堀切という場所は、江戸時代、江戸に向けて切り花を生産していた場所でした。端午の節句の花であった花菖蒲も、切り花として栽培されていました。そうしたところ、花がいっせいに咲きその見事さから、切り花としてではなく、花を見せる観光園という形が考え出されました。

この堀切というところは、江戸からちょうど徒歩で日帰り程度で行くことができ、田園地帯で景色も良かったので、観光花菖蒲園は江戸っ子の行楽地として人気となり、それ以降、明治、大正頃まで隆盛を見せました。

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肥後熊本で明治時代に改良された花菖蒲 石 橋(しゃっきょう)

しかし堀切の花菖蒲園は、その後の関東大震災後の堀切地区の宅地化によって衰退してゆきます。しかし大正末期頃から、九州の熊本でそれまで改良されてきた肥後花菖蒲が関東に紹介され、広く一般に普及し始めました。

肥後花菖蒲は大輪で気品高く、多くの人々がこの花に心酔し、昭和6年には花菖蒲の愛好団体「日本花菖蒲協会」も生まれました。そしてこの肥後花菖蒲の普及こそが、戦後の花菖蒲園の隆盛に繋がりました。

戦後の混乱期を経て昭和31年の東京花菖蒲苑(その後の京王百花苑)の開園を機に、その後の戦後の高度経済成長時代のなかで花菖蒲はまさに時代の花としてたいへんなブームとなりました。平尾秀一氏や光田義男氏など、素晴らしい花を作出した育種家も生まれ、また同時代に開園した当加茂花菖蒲園も、それら育種家の品種を大量に増殖し各地の花菖蒲園へ普及させたことから、昭和後期までに全国に200箇所もの花菖蒲園が造成、運営されるようになります。

そして、それらの花菖蒲園が、今日まで運営され、6月には花を咲かせ続けているというわけです。

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昭和55(1980)年の当園の通販カタログ。当園はこの年より花菖蒲の通信販売を始めました。写真を見ると肥後系の品種が圧倒的に多く、色彩のバラエティーは現代よりも少ないこの時代の花菖蒲園らしいです。また花菖蒲園の面積も、現在より規模が大きなものでした。


ですが実際には、この花菖蒲という植物は栽培がなかなか難しく、多くの花菖蒲園がその栽培に苦慮されておられます。また現代では当に、花菖蒲は時代の花でもなくなりました。

それでも今のこの不況の時代に、他に楽しみなどいくらでもある時代に、全国各地の花菖蒲園が閉園に追い込まれることなく、何とか命脈を保っているのは、改めて考えてみると脅威であると言えそうです。昭和6年に創立した日本花菖蒲協会にしても、今年で創立80周年を迎えますが、一介の趣味団体が80年も命脈を保つなど、なかなか考えられない事です。

当園にしても、花菖蒲園ではとうに採算が取れないことをもう20年も前に見越して、富士にベゴニア園を造り、その後の花鳥園経営の大成功の今日に至っても、花菖蒲園を止めずに毎年花を咲かせ続けています。 

これはなぜでしょうか?

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そう考えると、やはりこの花には、私たち日本人の心に響くものがあって、時代は変っても決して失ってはいけないものに、すでになっているのだろうと、改めて思います。

江戸時代から連綿と、日本人の心が育んできた花ですから。今の時代の人の心にも響くものがあるのだと思います。


そして、もうすぐ、この花の咲く季節がやってきます。


今回は長く書きすぎました。すみません。次回からは、当園のほかの部分の紹介を、開園が始まる5月の22日まで、ゆっくりとご紹介してゆくことに致します。


こどもの日と菖蒲のこと 

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きょうは、5月5日のこどもの日を前に、この祝日の元になった端午の節句と菖蒲(ショウブ)のことについて書いてみます。

まず勘違いされないよう、お話しておきますが、この菖蒲(ショウブ)とは、花菖蒲のことではなく、サトイモ科のショウブのことです。

この5月5日が「このこどもの日」として制定されたのは、戦後の昭和23(1948)年のことですが、この日は古来「端午の節句」でした。


端午の節句とは何か?と言いますと、途端に難しい話になってしまうのですが、

これは奈良時代以前に中国から入ってきた風習で、中国の陰陽道では偶数を尊び奇数が重なると陰を生ずるとされました。そして暦のなかで奇数が重なる日が厄日とされ、その季節の香草によって邪気を払う風習がありました。1月7日(人日)、3月3日(上巳)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)がそれです。

5月5日の端午とは、月の初めの午の日と言う意味ですが、やがて午と五が通じることから、重五の日として五月五日が端午の節句となりました。

奇数のなかでも陰陽道的にいちばん悪い「五」が重なる日であること、そしてこの5月5日(旧暦)の頃は、暑さが始まり害虫などがわき出し、病気などにも罹りやすくなる頃で、そこで、サトイモ科の菖蒲(ショウブ)という香気のある霊草によって、端午の邪気を払ったのが、端午の節句でした。

端午の節句とは、菖蒲の霊験によって端午の邪気を退けた、菖蒲(ショウブ・あやめ)の節句だったわけです。

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そして平安時代になると、宮中にて軒に菖蒲を葺く菖蒲葺き(あやめぶき)、菖蒲湯、菖蒲酒、菖蒲根合など、端午の日に菖蒲を用いた様々な行事が執り行われます。

上の写真は旧暦の端午の節句(6月)に加茂荘の長屋門に菖蒲を葺いた様子です。

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そして、鎌倉時代以降の武家の社会においても、菖蒲=尚武の語呂合わせから、武士の祭として端午の節句は祝われました。そのなかでも菖蒲は中心的な存在で、平安時代後期から鎌倉時代頃の鎧には、「菖蒲革」など、いたるところに菖蒲をデザインとしてあしらい、菖蒲の霊験によって武運長久を願うようになります。

そして時代は下り、江戸時代の元禄年間頃になると、この端午の節句は男児の立身出世を祝う節句として庶民の間にも広まり、この頃から鯉のぼりなども登場するようになるとともに、花の咲く菖蒲であるアヤメ科の花菖蒲が、端午の節句の祭の花として栽培されました。そして花菖蒲は江戸時代中期頃から徐々に花形が発達し、江戸時代後期の松平定朝の花菖蒲品種改良や、堀切の花菖蒲園へと繋がってゆきます。

ですから、花菖蒲は、この端午の節句の菖蒲の文化が土台となって、江戸時代に開花した日本の園芸文化であると言えます。

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当園では、この花菖蒲を、江戸時代の末頃から現在の長屋門の前で栽培していたと伝えられています。明治時代にはこの長屋門脇に上の写真の花菖蒲の鬼瓦も添えられ、門前の花菖蒲とこの鬼瓦によって、家のなかに邪気が入るのを二重に防いできました。


社長がよく、「花菖蒲を愛し栽培する者は、その菖蒲の霊験によって守られるから、不幸にはならない 」と言いました。

これは単なる迷信かも知れません。しかし、遠い昔から人々が生きてきた土台の上に今を生かされていることを知ることは、とても大切なことだと思います。

今年も加茂荘では、旧暦の端午の日には、菖蒲を葺いて、菖蒲酒をご来園される皆様にお出ししようと考えています。