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来年もよろしくお願いいたします。 

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6月27日 5月22日から、短かった花菖蒲の開園期間も、今日で終わりとなります。今回は今年の名場面の写真から、ご紹介いたします。

当園が昭和30年に開園して、今年で55年目。今年も無事開園を迎えることができ、そして今年は例年になく花菖蒲の出来が良かったです。

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今年から、加茂荘の長屋門前の花菖蒲田が、これまでの鉢物圃場から露地植えに改変されたことで、花菖蒲の草丈も伸び、露地植えの圃場全体も、近年にないほどの出来で、開花最盛期の頃はご来園されるお客様からも、お褒めの言葉をいだだきました。

花菖蒲は連続して同じ場所で栽培されることを嫌う「連作障害」という性質を持つ植物で、それがこの植物の栽培をたいへん難しいものにしています。

この長屋門前の圃場も、20年ほど前、どうにも出来が悪くなってしまい、やむなく鉢物圃場にしたのですが、20年植えつけなかったことで、土がもとの状態に還ったようで、それで今年は良くできました。

やはり土の入れ替えは、この植物の栽培には必須であることを思い知らされました。

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今年の開花のピークは、今思いますと、6月の7日、8日、9日の3日間でした。

ですが、6月7日が晴れてしまい花がやや痛んでしまったため、8日は曇りでしたが今ひとつ。そして9日は8日に曇ったことでこの日が最高。翌10日はまた晴れで、ここから下り坂になりました。

最高と言える日は、実にこんな感じで、たった一日か二日です。

そのほか、走りの頃の6月1日も良かったですし、6月6日も満開直前ですが状態は最高でした。

ほんとうに良かった日となると、こんなふうに数えるほどですが、それでも今年は花の良いときに酷い雨がなかっただけ良かったです。

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花菖蒲という、今の時代の流れからはすでに過去のものになった植物ですが、それでもやっぱり良くでききた花菖蒲の満開は、文句なく美しいです。

そしてこの不況の時代、娯楽などいくらでも刺激的なものがあるこの時代に、閉園となった花菖蒲園の話も聞きません。全国のどの園も運営に苦心しながらこの花の園を何とか存続させています。

それは、この花に携わる者が、そしてこの花を愛する人々が、花菖蒲を日本の伝統として絶やしてはならないもの、守らなければならないものとして、意識的にも無意識にも思っているからだと思います。花菖蒲は、すでに失ってはならないこの国の心のより所の一つになっているのだろうと思います。

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そして、これは一般のお客様にはなかなかご覧いただくことができないかも知れませんが、花菖蒲園のすぐ脇の用水路には、5月末になると無数のホタルも飛び交います。

何の保護活動もされていない場所で、これだけのホタルが飛ぶのも、この花菖蒲園周辺がまだ自然が豊に残されているからに他なりません。

こういう自然を絶やすことなく、大切にしてゆきたいと思います。

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それでもこちらの宣伝が下手なのかも知れませんが、年々花菖蒲園にご来園されるお客様は減ってきています。時代の流れや昨今の不況の影響もあると思います。

そういうこともあって、とにかく今、自分でできること。ということで、このブログを今年は頻繁に更新して、園内の様子を正直にお伝えしてきました。花が終ってきた時も、それを隠さず、「正直に状況をお伝えいただいて助かります。」というコメントもいただきました。

なにより、この花菖蒲園の最盛期のアクセスは、他の花鳥園グループのどの園よりも高いアクセス数を示しました。一生懸命にやることの大切さ、改めて実感したシーズンでもありました。

当ブログ、ホームページをご覧いただいた皆様。そして、遠方よりご来園いただきました皆様。ほんとうに有り難うございました。

また来年も、宜しくお願い申し上げます。


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稚拙な文章にお付き合いいただき、有難うございました(西村) 

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最盛期の頃の花菖蒲

6月27日 今シーズンから時々ブログを更新させていただきました、西村です。私にとって初めての開園期が終わりました。あっという間に過ぎた一カ月で、まだまだ頑張らないと、と痛感した一カ月でした。

4月の下旬だったでしょうか。上司の永田より、開園期のブログの更新を手伝うように、との話がありました。5月に入り、永田とともに、ブログ更新を始めましたが、最初は、日々の仕事にブログの更新が追加されただけ、特別な意識はありませんでした。ブログの更新が目的で、ゴールでした。

6月に入る頃には、永田が私にブログを分担させた、本当の意味がわかってきたような気がします。それは、ブログを通して、園を理解することはもちろんのこと、実際にブログを書くことで、日々刻々と変わる園内の、ちょっとした変化を見落とさない、アンテナを張ることの重要性を教えてくれたのだと思います。
また、花の最盛期の頃は、ブログのアクセス数が1日1000人 を超え、ブログを見たとおっしゃってくださるお客さまも多く見えました。魅力的なブログを書く大切さを改めて強く感じました。

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花菖蒲の枝切りの様子

今回のブログ更新にあたって、バックグラウンドの紹介を密にするよう心がけました。表の華やかさと真逆で、根気の要る作業で、泥臭いものですが、この作業こそが、表の華やかさを支えており、伝えるべき重要なものと思ったからです。

今年は加茂花菖蒲園ができて55年の節目となります。今シーズンを振り返ってみると、花菖蒲の出来こそ良いものの、集客の面では問題の残る結果となりました。不況による社会不安の影響もあるでしょうし、ニーズの変化もあるでしょうが、私たちの集客努力も足りなかったのではと悔やまれます。今回の経験を来年に活かすべく、対策を講じていきたいと考えています。

例年であれば、ブログも閉園と同時に休止いたしますが、今年からは、閉園後もブログの更新を月に数回程度でも続けようと考えています。私たちの仕事は閉園で終わりではありません。来年に向けた準備が閉園後すぐ始まるからです。
直接園内に入ることができなくても、ネット上から、その様子を見ることができる。開かれた場にすることが、加茂花菖蒲園のPRの一つになると確信しています。

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ゲンジボタルの乱舞

当園にはまだまだ、伝えるべきものがたくさんあります。全国でも最大規模を誇り、進化し続ける花菖蒲。新進気鋭のアジサイ「加茂セレクション」。桃山時代から続く加茂家の屋敷と歴史。今なお残る里山原風景とそこを拠り所とする動物たち。これからも少しでも多く紹介できるといいなと思います。

ひとまず、ここで一区切りとさせていただきます。

開園期間中は私の稚拙な文章にお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。ブログの更新頻度は減るものの、引き続きブログをご愛顧頂けると幸いです。今後の更新分からはもう少し文章を推敲できたら…と思います。


文章,写真:西村

菖翁様へ、今年も有り難うございました。 

江戸時代後期に花菖蒲を改良し、現代まで続く花菖蒲の文化を一代で築き上げた人物がいました。名を松平定朝。自らを「菖翁」と号したほどの花好きです。彼は江戸麻布桜田町、今の六本木ヒルズ近辺に2400㎡の居を構えた2000石取りの旗本でした。寛政の改革を行った老中松平定信の片腕として京都町奉行など幕府の要職を務める傍ら、若い頃から80歳を過ぎるまで花菖蒲の改良にはげみ、一代で花菖蒲の文化を築き上げ後世に残しました。彼は花菖蒲の神様、花神であり、今私たちが見ている花菖蒲の多くが、実に彼が改良した花の子孫です。

今年も美しい花を見せてもらいました。花菖蒲の大恩人である彼に感謝の気持ちを込めて、彼が著した花菖蒲の聖典 嘉永6年(1853)の『花菖培養録』から、彼に花菖蒲を語ってもらいました。

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萌芽の形状によりその年の花の出来具合を鑑定し、暮春の頃よりその花目前に見るが如くであり、夏が来て咲く花々の、私でさえ飽の来ない眺めは、長い一日を忘れさせ、涼しげな葉の茂みは風になびいておのづから納涼の興を添え、葉末にむすぶ白露の散る玉ごとに月影を宿し、いつしか秋も暮れゆきて、朝な朝の薄霜に、枯れ葉のさまに名残りを思い、閑窓に炉を開き冬籠もりして、また来る春に萌え出るであろう新芽を待つ楽しさは例えようが無い。

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私が優秀花であると親愛しているのは、絨地縮地(ビロード状チリメン地の弁質)で、花弁が厚く、丸く幅広く重なって、十分に勢いがある大輪で、色も形も良い花である。しかし元来花の宗匠として鑑定する規則も無く、ただ私が自分の好みにはまり込んでその形をひいきする事だから、あの花は良いとか、どの花が悪いとも言えない。今その優劣を論じているが、あえて私の流儀を模範にせよと言うのではない。私が良いと思うものを自分流に鑑定して親愛しているだけである。その思いの篤いために他ならない。

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世間で請け咲きともてはやしている花形は、花弁が丸く重なり垂れず、ほんの少し野生種より進歩しただけの業(芸、変化)の無い単純な平咲きである。業のある花は異形などと嘲っている。人は元より十面十色だから、好き嫌いはそれぞれ異なり、所詮好みが違うだけである。業のある花を好き嫌いするのも、花が咲いても分からないような観葉植物を眺め親愛したり、または病気と知っていながら斑入り葉を好み、異類異形の珍奇植物を好むのも皆好き嫌いの片寄りである。

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実生初咲の中から八重の形状を含んだ花を多く選び栽培したところ、今年になって咲いた花の中から一草だけ、花形が十倍に変化した未曾有の奇品が開花した。六十余年この花形に心酔して来たが、ようやく成就した。ああ、人の力が創造主の力と知らぬ間に合致したのか、ついに奇品が出るに至った。

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かつて一種しかなかった花菖蒲は、今は増殖し狭い園に溢れており、そのすべての花が普通の花形でなく異形だけれども、花好きの癖だから人は人だし、私は私である。この事を人が知ればやかましく言い騒ぎ、知らなければ知らないでまたやかましい。年寄りの片意地で異形の花を集め、珠花奇芳とひそかに思い、顔にしわの寄る年齢を嘆きもせず、花が過ぎればまた来る夏を待ちわびて、花を忘れる束の間もない。

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花に酔うのは風流の一つなのだろう。私にしてもあきもせず、うつけ者のたわごとを一小冊に綴り、図を入れるのに老いぼれのへたくそな画きで模写するのだが、これは普通の花あやめではなく、実に牡丹と間違える程の花形だから、そして花菖蒲本来の姿を失った花形を、私でさえ不思議と思う程だから、読む人があれば嘲笑うだけで信用しないのは当然だろう。疑惑があれば私の荒園の満開を見て証明とされたい。 

同じ花菖蒲でも普通のものとは雲泥の違いがあることは、例えば動物にも麒麟や鳳凰というものがあり、また、水溜りと河や海とを見比べるのと同じであろうとご承知ありたい。




花菖蒲という植物は、江戸時代からの改良の歴史、それに携わった人々やその人たちが育成した花など、現代に繋がる歴史がつぶさに残されている、とても奥の深い植物です。花の上に表れた育種家の想いは、例えその育種家が亡くなっても、その花を愛する人がいる限り、永遠に生き続けます。160年前の菖翁の感動の心は、今年も彼の花の上に表れていました。時を越えて生きた花の上に作者の感動が伝わる、ここが花菖蒲のすごいところです。

この花の歴史を残し、僅かでも発展させ次の世代へ伝えることが、先人への恩返しであり、この花に携わる者の使命と思っています。


花菖蒲の株分け 

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6月26日 今日は花菖蒲の株分けの様子をご紹介いたします。
当園の地植えの花菖蒲は2年に一度、スコップで掘り上げて、株分けしています。花菖蒲は定期的な株分けが必須で、これを怠ると株が衰え、花つきが非常に悪くなってしまいます。

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株分けは、梅雨が明けていない、今の時期に行うのがベストです。しかし、株分けが遅れると暑さで痛みやすいので、極力早めに行うことが大切です。スタッフが梅雨の合間を見て、スコップで掘り上げを行います。
葉が切り揃えられていますが、これは、掘り上げと株分けの際、効率よく作業を行うためと、植えつけ後、根の張っていない株の過剰な蒸散を防ぐため。あらかじめがスタッフが切り込みます。

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掘り上げた花菖蒲は大きいもので一株10キロ近くになります。株分けのため、作業場まで運びます。

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まず、余分に付いた土と古い根を鈎状の道具で掻きとります。その後、花茎が伸びた親株を根元から刈り、そこに包丁を垂直に当てて、株を連結している根茎を切ります。

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その後、左右の株をそれぞれ持って、引き裂くように株分けします。そうすると細かな、元気な根を傷つけにくく、株へのダメージが最小限に済みます。

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引き裂くように分けていき、最終的には1篠から2篠まで株分けします。

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当園では、山砂とピートモスを同量混ぜ合わせたものを鉢植え用の土として使っています。特にこれにこだわる必要はありませんが、肥料分の入っていないものを選ぶ必要があります。一般的な植物が栽培できる土ならば何でも結構です。株を鉢の中心に据え、力を入れて少し強めに土を押し固めます。

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株分けの終わった鉢。ひとつの株から多いもので10篠ほど取れます。

一カ月ほどで根づくので、その間は暑さで乾かさないよう、水遣りには注意してください。
根づいてからは、旺盛に成長する時期なので、有機肥料を中心に施肥を行うとともに、根の伸長を促すために、時々土を乾かします。

今年殖やした株は来年の開園期に、また素晴らしい花を咲かせてくれることでしょう。


文章,写真:西村

花菖蒲 今年の成果 その2 

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江戸系 夜の波


6月26日 昨日に引き続き、今年の花菖蒲の成果についてもう一つ。

今年は、数年前から改良し育成してきた青色系の花菖蒲が殖えて、やっと園内に青紫色の色彩が増えてきたことも、成果の一つに上げられます。

青色系の色彩を持つ花菖蒲は、別に珍しいわけではなく、以前からありましたが、1990年代の後半からのリゾクトニア性の立ち枯れ病という花菖蒲のあらたな病害のため、それまであった青紫色系の品種の多くが消滅してしまいました。また青紫色系ではあるのですが肥後系の花で、園に植栽した場合に咲き揃う性質がないなど、花菖蒲園に使える良い品種があまり見当たらなくなっていました。

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青系の品種がなぜ大切かというと、上の写真のように、青系や紫など濃色系の品種がないと、花菖蒲園の色彩がしまりのないボケた感じになってしまうからです。特に晴天の日はピンクや薄藤色系は色が飛んで見え、園全体が白っぽくなってしまいます。

濃色系の色彩が必要とはいっても、濃紅紫系では、たくさんあると暑苦しい感じになるので、涼しさを演出する青色系が必要なわけです。

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そしてこれが今年の園。青紫、水青色系があることで園全体の清涼感が増し、色彩のバランスがとれてきます。今後もう少し青紫系の比率を高めてゆくことで、園内がさらみメリハリの利いた美しい風景になってゆくと思います。

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そんな考えから近年生まれて来た原里(はらさと)という品種。名前は掛川市原里、この花菖蒲園のある地域から取りました。

この花は、開花2日目に日ざしが強いと花弁が内側に巻いてしまう性質があり、今ひとつなのですが、澄んだブルーを感じる青紫が美しく、丈夫な性質、繁殖も良い、草丈も高いなど花菖蒲園に好適な性質を多く持っています。

さらに早咲きで、一端開花が終わったあと、晩咲きの咲き始める頃になって新たに花が上がってくる二度咲きの性質を持っていて、開花期が長いのも特徴です。

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門前圃場に植えて、優良な品種とわかった大水青(おおみずあお)。名前は澄んだ水色の羽根を持つ蝶のような蛾から取りました。

直径20cmほどの大輪で、性質丈夫、草丈も伸び花茎に枝も出るので開花期が長いなどの特徴があります。澄んだ青水色で雄大に咲き、今後の当園で大いに活躍してくれそうです。

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濃い沈んだブルーを帯びる天水(てんすい)という品種。この品種はまだ20鉢程度ですが、この品種が増えてくる数年後には、花菖蒲園はさらに美しくなると思います。

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八重のたいへん賑やかな花形の八重紫雲(やえしうん)。八重咲きの品種は、その大輪さゆえ咲き揃う性質はあまりないのですが、この品種は花上がりがバツグンによく、青藤色のじゅうたんのように咲きます。性質も丈夫で繁殖も良い、今後の優良品種です。


個人の趣味家で、花一輪を鑑賞するのであれば、より花形の端正な肥後系の極大輪系が良いのですが、花菖蒲園ではまた違った観点。丈夫でよく殖え、よく咲き揃い草丈が高いなど、実用面で優良な性質を持っていることが必要で、そういった何拍子もそろった品種は、花菖蒲の多くの品種のなかで意外に少ないのです。

前回ご紹介した濃いピンク。そして、今回ご紹介した園に清涼感とメリハリを与える青系の品種が多く園を彩るようになると、花菖蒲園の景観もより美しいものになると予想しています。

花菖蒲 今年の成果 その1 

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6月25日 今日から2回に分けて、今年の花菖蒲の品種改良の成果についてお話いたします。

きょうはまず、濃いピンクの種類が殖えてきたことについて。

今から20年以上前の昭和の末期時代、花菖蒲のピンクの品種は、美吉野とか、乙女霞、など薄いピンクの品種が主でした。その後、1990年代になると、当園が姫小町桃 霞など、それまでの品種よりはるかに美しいピンク系の花を育成してきました。

その1990年代、時を同じくして、名古屋在住の故光田義男氏という戦後の花菖蒲の大育種家が、雛の襲千姫桜火の舞など、濃桃赤色とも呼ばれる今までにない濃いピンクの品種を多数育成しました。
これらの品種は、それまでの花菖蒲の常識を覆すほど濃いピンクの花色を持っていましたが、なにぶん性質が非常に弱く、草丈も低いため、花菖蒲園への実用性は全く見込めない代物でした。

その当時から、光田先生のピンクを草丈高く丈夫なものにしたい。という話はあり、今から思いますと、当園の私(永田)が、紅 桜という光田先生のピンクをセルフ交配した品種を作出したことで、濃桃赤色で草丈は低いが、性質だけはやや丈夫な品種が生まれました。

紅 桜は、1994年には作出されていましたが、初期の増殖が悪く、殖え出したのは2000年代の前半。そしてその頃から紅桜をもとに草丈の高いより濃い色のピンクの作出に取り組みはじめ、その成果がここ数年前から現れ始めました。

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上の写真、そして一番上の写真も、全て今年の実生で初めて咲いた花です。紅桜の鮮やかな濃桃赤には一歩譲りますが、今年はどれを取っても良いほど形質の優れた濃いピンクの品種が数多く開花し、選抜に迷うほどでした。

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これらの個体は、草丈も80cmほどに伸長し、花菖蒲園でも十分に使うことができます。また性質も比較的丈夫で繁殖も良いことも特徴です。

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一昨年の選抜品。10年前には見られなかった優れた性質を持った濃ピンクの花が多数選抜されています。

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こちらは濃ピンク地に淡いピンクの吹きかけ絞り。

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濃い桃赤色の三英花。この個体は2009年度の選抜で、すでに40株程度に殖え、繁殖も良さそうです。写真は咲き始めの花色で、開花2日目にはやや薄くなりますが、それでも濃いです。

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現在、作業場ではこれらの優先増殖品種の株分けが進められています。これらの品種は今年の秋口には花菖蒲園に植栽し、来シーズンは園内で観賞できるようにしてゆきたいと考えています。

数年後には実現すると思いますが、こんな濃いピンクの花菖蒲が園内を埋めたら、花菖蒲園もさらに鮮やかになってゆくと思っています。

花鳥園グループの原点として 

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満開の花の下でバイキングが楽しめ、鳥たちもいっぱいの掛川花鳥園

6月24日 花菖蒲のシーズンもそろそろ終わりに近づき、昨日は激しい雨が降り、今日は晴天で園内も花が良くありません。花菖蒲はアジサイとともに梅雨の雨が似合う花ではありますが、本当は、入梅前後の曇り空でこそ美しく咲ける花です。

ということで、ご紹介できるほど園の様子も良くないので、今回は大きく育ってきた花鳥園グループの中での加茂花菖蒲園の存在について、お話します。


もう20年以上も前、その当時すでに花菖蒲園だけではいずれ経営できなくなることを見越していた現社長は、1992年に球根ベゴニアによって年間運営できる富士国際花園(現富士花鳥園)を開園しました。

この富士の大成功と1990年代の末に同園に導入したフクロウによって、花のなかに鳥が加わり、その後2001年に鳥と花の園・松江フォーゲルパークを造りました。
そして2003年に掛川花鳥園が誕生し、「花鳥」という、日本の美を現す言葉のなかにある、共に生きるという思想によって、2005年には、人と生物、健常者と障害者の垣根を限りなく取り除いた神戸花鳥園が生まれました。

そして今年は上海万博初の障害者館「生命陽光館」への協賛。そして現在も新たな園の造成に向けて進んでいます。


現在では加茂花菖蒲園より掛川花鳥園のような花鳥園のほうがはるかに有名になり、花鳥園スタイルの施設の誘致話も引く手数多の状態で、既に当グループの顔は花鳥園となっています。

ですから例え加茂花菖蒲園がなくても、花鳥園グループとして今後も運営を進めてゆくことは十二分に可能です。

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ですが、当グループがなぜ生物との共存共生をテーマにしているのか。なぜあれほどまでに頭上の花が満開になっているのか。それはこの国の大昔の、縄文の時代から日本人の心の奥にずっと受け継がれている、自然と共に生きるという思いを、現代の収益性のある施設として開花させたものであるからなのですが、では、そうした施設にしようという考えがどこから生まれてきたかというと、そこに加茂花菖蒲園の存在があるのです。全ての園の建物の造りが和風なことも、加茂荘があってのこと。日本の伝統を大切にとらえたことの表れです。

掛川と遠州森町の境に桃山時代より庄屋を営み、江戸時代中期の1772年に建築された長屋門や庄屋屋敷に今も暮らし、自然のなかで動植物とともに生きて、満開の花菖蒲を毎年眺め、そのなかで自然や、そのなかに内在する神様、そして先人の恩恵によって今を生かされていることに感謝する。

当グループの生物との共生というコンセプトは、こうした加茂荘の歴史ある建物と豊な自然、そして花菖蒲とともに生きてはじめて生まれてきたもので、加茂花菖蒲園はこの意味において当グループのゆるぎない原点なのです。

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6月7日の園の風景

今年は開園期間も短く、お客様も少なめでしたが、花菖蒲は例年よりもはるかに美しく咲きました。原点としての役目は、立派に果たせたと思っています。

アジサイの挿し木 

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今回はアジサイの挿し木の様子をご紹介いたします。
ここで殖やされた苗は当園での展示や販売に使われるほか
農家さまに親木として出荷し、全国のホームセンターや花屋さんで販売されます。

当園オリジナルアジサイ『KAMOセレクション』は、上記のほか、
としまえん様や鎌倉の長谷寺様、八景島シーパラダイス様、ハウステンボス様など
様々な観光名所にても栽培して頂いており、
全国各地のお客様からお問い合わせや御注文をたくさん頂いております。


アジサイの挿し木は、6月から7月が適期です。
さわり程度ではありますが、アジサイの挿し木の現場を紹介いたします。

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まず、充分に育った親木を用意します。
挿し木に用いるのは、青々として、適度に硬くなった茎です。
青々として張りのある茎を選んで切り、しばらく水に浸して水揚げをさせておきます。

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挿し木には節(葉っぱの根元の部分)があることがポイントです。
節からしか芽が出ないからです。
当園では節を一つ残して切り分けます。
茎を切り分ける際には水につけ、切り口が空気に触れないようにします。

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節からしか芽が出ないと述べましたが、使ってはいけない節があります。
それは花(花芽)のすぐ下の節(写真左)です。
他の節(写真右)は小さな芽があるのに対し、花のすぐ下の節には芽がありません。
この節を挿すと、根は出ますが、芽が出ず、いつまでたっても成長しません。

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挿し木用の茎は、蒸散によって水分が出過ぎないように、葉っぱを半分に切ります。

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そのあと、発根剤を下の切り口につけて、発根を促します。
発根剤がない場合、節を2つ残し、下の節を土に挿すと発根しやすいと思います。

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最後に、パーライトとバーミキュライトを混ぜた水はけのよい用土を用意し、
たっぷりと水をかけて湿らせたものに植え付けます。
当園では小さなビニールハウスで囲って、湿度を保っていますが、
一般のご家庭では、毎日霧吹きをして全体を湿らせてあげるとよいと思います。

水やりは上からではなく、底から吸わせるようにあげます。根が出るまで土を乾かしてはいけません。

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順調にいけば、一ヶ月後にはびっしりと根が張り、鉢上げができるようになります。

最後に…
個人のお客様で当園のアジサイの挿し木を楽しむ分には構いませんが、
営利目的の増殖・販売を行う場合は、当園との契約が必要です。
ご理解ご協力の程、よろしくお願いいたします。



温室内の花のお手入れ 

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6月22日 昨日は花菖蒲の手入れの様子をご紹介いたしましたが、今日は温室内の花の手入れの様子をご紹介いたします。

今年も花菖蒲のシーズンは終わりに近づき、花菖蒲の花が日々減っていますが、温室内の花たちは開園時の頃と同じかそれ以上に美しい花を咲かせています。
梅雨空のもと、しとしとと雨が降る天気でも温室内は快適ですので、このような天気に訪れた方はこちらでゆっくりとくつろいで頂けたらと思います。

お客様にゆっくりくつろげられる空間を満喫して頂くために、花菖蒲と同じように温室内の花も、毎日スタッフが手入れをします。美しい、生き生きとした花々に囲まれていると心からリフレッシュできるものです。

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フクシアの実摘みの様子

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フクシアは美しい花を咲かせた後、比較的良く結実します。若い、緑色の果実を成長させると、紫色から黒色の果実となります。甘くておいしい果実なのですが、若い果実をそのままにしておくと果実に栄養が取られるため、株の成長が鈍ってしまいます。
株の成長が鈍って花が減ってしまわないよう、こまめに実摘みを行います。

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ユリの葯(やく)摘みの様子

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ユリの花粉は黄色から赤褐色をしており、花びらに付くと花が汚れて見え、服に付くとなかなかとれません。そこで、おしべの先にある、花粉を作る器官である葯を取り除きます。葯とおしべは細く繋がっており、葯を引っ張ると簡単に取ることができます。
本来あるべきものを取り除くことになってしまいますが、良い状態を長く楽しんでいただくため行います。

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ストレプトカーパスの花がら摘みの様子

日焼けしたり、しぼんだ花を取り除きます。ストレプトカーパスの花はしぼんでも花茎に残ってしまうため、人の手できちんと取り除きます。

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ブルグマンシア(エンゼルス・トランペット)の花がら摘みの様子

花の寿命は3、4日で、しぼむとガクの部分から花が落下しやすくなります。しかし、枝が入り組んでいるため途中で枝に引っかかってしまうことも多く、5メートルを超える巨木のブルグマンシアの花がらを掃除する時は、梯子や高所作業車が必要となります。

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インパチェンスの花がらを払う様子

散った花は枝に引っかかりやすいため、花がらを払い落す必要があります。この時、直接手で払ったり、株全体を振るって花がらを払い落とそうとすると、インパチェンスのやわらかい枝は折れたり、垂れ下がったりして、株全体の形が悪くなります。これを防ぐため、ブロアーという強力な送風機を使って、風の力で花がらを落とすようにしています。

花菖蒲の手入れと同じく、毎日の積み重ねと、ちょっとした工夫により、温室の花たちも美しく保たれています。


文章,写真:西村

花菖蒲のお手入れ 

6月21日 今日は皆さんに少しでも良い花を見ていただくために日々行っている、花菖蒲の花のお手入れについて、その舞台裏をご紹介いたします。

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花がら摘み

花菖蒲の花の寿命は2日半と短いため、花時や天候不順の際には大量のしぼみがでます。来園してくださるお客様に、きれいな花菖蒲をご覧いただくため、しぼんだ花や傷ついた花はできるだけ朝のうちに取り除きます。

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花を取り除く時は、花の根元を折るようにひねると簡単に花が取れます。

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花枝切りその1

花菖蒲が花をつける茎は、真っ直ぐてっぺんに伸びる花茎とそこから枝分かれして、脇から伸びる花茎に分けることができます。花茎の伸びる程度は品種によって違い、脇からの花茎がほとんど伸びないものもあります。

花菖蒲は、一つの花茎から2輪程の花をつけます。まず、てっぺんの花茎の花が咲き、その後、脇からの花茎の花が咲きます。てっぺんの花茎の花が咲き終わると、脇からの花茎を残して刈り取ります。

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はさみを使って、脇からの花茎を残して、てっぺんの花茎を切りとります。花茎を切るのも花を摘むのと同じ、終わった花のない、きれいな花菖蒲をご覧いただくためです。

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花枝切りその2

脇からの花茎の花まで咲き終わると株元から花茎を刈り取ります。景観上の意味もありますが、株元に光が届き、不要な種を作らなくて済むため、株に力をつけさせることができます。

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鉢の入れ替え

ポット植えになっている花菖蒲は花が終わった後その鉢が入ったトレーごと浅い池から出して、まだ蕾のものに入れ替えます。別の圃場に大量の鉢植えが栽培されていますので、そこから花菖蒲園内に運び込みます。 水を含んだ花菖蒲のポットは重く、1つのトレーで10キロ近くになります。


こういった作業が毎日続けられるからこそ、花菖蒲の美しさは保たれています。


文章,写真:西村

6月21日 園内景 

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6月21日 開園最後の一週間となり、花菖蒲も終盤になっていますが、鉢物圃場部分はご覧のような満開の状態が続いています。

これは、咲き終わった鉢を池から出し、蕾の鉢を順次池に入れているから、ということ、花菖蒲は鉢で栽培すると露地植えより開花が約10日前後ほど遅くなるので、この性質を利用して、遅くまで花を咲かせていることができるというわけです。

露地植えの部分は咲き終わりに近いですが、鉢物の部分は今月27日の閉園まで保ちます。

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加茂荘の蔵と花菖蒲。こうして写真を撮るにはまだ十分撮れる花の状態です。

このあたりが当園の良さで、鉢物を入れ替えることによって、開花期間の短い花菖蒲を一ヶ月強の開園期間中ずっと咲かせ続けています。

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鉢物圃場では、めずらしい花も咲きだしています。写真は伊勢花菖蒲の古花の御代の春(みよのはる)。明治37年(1904)以前から、三重県松阪地方の、ごく少人数の人々の間で栽培されていた品種とされています。

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江戸花菖蒲の菖翁花の一つで竜田川(たつたがわ)という品種。江戸時代後期に花菖蒲の品種改良を行った旗本松平定朝、通称菖翁という人物の作花で、花菖蒲の発達に多大な功績を残したため、彼の作花は今日でも菖翁花(しょうおうか)として大切に保存されています。

江戸時代の品種が今日に残っていて、その作者もわかっている。こういうところが、花菖蒲のすごいところです。

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こちらは青森県六ヶ所村で発見された、ややくすんだピンクの花菖蒲で陸奥の薄紅(むつのうすべに)という品種。花菖蒲の原種であるノハナショウブは、今日でも日本各地に自生しており、そのなかの色変わりが発見され、命名された品種も幾つか見られます。原種の仲間は、すっきりとした花形が美しいです。

このように独自に新花を育成しながら、花菖蒲の原点である歴史的な古花や、原種も保存しています。

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きょうは午前中の一時期に強い雨が降りましたが、午後は曇り空が続き、蒸し暑くはありましたが気温はさほどでもなく、花菖蒲も傷んでおらず美しく観賞することができました。


ユリの展示 

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6月20日 今日は温室で展示されているユリをご紹介します。

展示されているユリたちは日本原産のヤマユリやカノコユリなどを元に品種改良された、オリエンタル・ハイブリッドを中心に20~30品種に上ります。
これらはオランダからの直輸入で、日本ではなじみの少ない花も含まれます。いろいろな品種が競い合って咲くさまは優雅で、ユリが展示されている花売り場周辺は上品な香りで満たされています。

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オリエンタル系のユリで有名な花のひとつに、カサブランカという純白大輪のユリがあります。展示されているユリにカサブランカはありませんが、それに引けを取らない、素晴らしい花たちがご覧いただけます。

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薄く乗ったピンクがかわいいティアラ。赤い斑点が花全体を適度に引き締めています。温室の中での栽培のため、高い気温により、ピンクの発色が若干弱い気がします。

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優しいピンク色のアブラッキオ。比較的新しい品種です。

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カサブランカよりも若干花が小さいですが、引けを取らない純白の花びらが美しく、花数が多いモンセラ

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細い花びらですが、鮮やかな赤色が目を引くモンテスマ。赤い蕾には白い筋が入り、蕾だけでも鑑賞する価値があるように思えます。花をじっと見ていると目が痛くなりそうです。

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派手すぎない黄色がやわらかい、イエローウィン。こちらは黄色の色素を本来持たないオリエンタル系に、黄色の色素をもつトランペットリリーを交配した、OTハイブリッドと呼ばれる品種群に含まれます。草丈が高く、150センチ以上あります。

ユリ好きの方は気付いたかもしれませんが、これら花の多くにおしべの先にあるはずの葯(やく)がありません。花粉が花やお客様の服を汚さないように、おしべが発達し、花粉を纏う前にスタッフが葯を取り除いています。

これらのユリは、展示と同時に切り花として販売もされています。一本300円から500円まで。カサブランカが一本で大体600円はしますので、非常にお買い得です。
元気な花をお渡しするため、注文後、スタッフが一本一本丁寧に切り取ります。少しお待たせするかもしれませんが、ご了承ください。

また、姉妹園の神戸花鳥園では大規模なユリの展示会が開催中です。詳しくは神戸花鳥園のホームページをご覧ください。


文章,写真:西村

6月20日 園内景 

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6月20日 きょうは今にも雨の降り出しそうな低い湿った雲が垂れ込め、昼に一時期激しい雨となりましたが、その後は曇りの状態が続きました。

ここ数日、雨やあいにくの天気が続いており、露地植えの花菖蒲はほぼ開花が終わってきましたが、鉢植えの部分は今が最盛期です。

上の写真は、花菖蒲園の北端から南を見た様子です。

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雨のなかの花菖蒲を撮ってみました。この品種は駒 繋(こまつなぎ)という肥後系の品種。濃いピンクの花ではよく普及しており、また今後の濃ピンクの花の育種親としても、さかんに使っている品種です。

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梅雨の雨のなかに咲く銀の華(ぎんのはな)。濃紫に白の縁取りの入る人気花です。

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江戸古花の泉 川(いずみがわ)。江戸時代後期に江東の葛西領堀切(現東京都葛飾区堀切)にあった日本初の花菖蒲園、小高園園主の二代目伊左衛門によって作出され、「麒麟角」などとともに、当時最も名花として江戸の人々の名声を博した花と、葛飾区史に記されている品種。

生きた江戸の文化財的な、江戸花菖蒲の名花です。

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スイレン池の縁に植えられたハンゲショウも、今が花の盛りです。

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こちらは露地植えの部分。先日まで夢のように美しかった露地植えの圃場が、日々花が少なくなってきています。花の数だけで言えば、6月初めより確かにそれは今のほうが多いですが、咲きはじめと咲き終わりでは株の勢いが全く違います。


花菖蒲園は、今後この露地植えの圃場がさらに花数が減って咲き終わってゆきます。鉢栽培の部分は、来週末6月27日の閉園まで、今のような状態を保ってゆきます。

開園もあと1週間となりましたが、今年は花菖蒲のいちばんの見頃に雨が降らず、花菖蒲の出来もよく、花もここ10年くらいで見てもとても美しく咲いた年でしたので、良いシーズンだったと思います。


駐車場から見えるアジサイ 

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6月19日 今日は駐車場からちらっと見える、壁沿いのアジサイたちが見ごろを迎えましたのでご紹介いたします。駐車場からさほど離れていないのですが、受付の反対方向なので、そこまで足を延ばすお客様は意外と少ないです。

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今年の3月末の記録的寒波の影響をほとんど受けず、今年も例年通り、綺麗な花を咲かせてます。壁沿いに植栽されて5、6年経ち、大株になったアジサイは見ごたえ十分。
そのまま見て楽しんでいただくのも良いですが、「庭木として使えるアジサイを作る」ことを目標に品種改良してきた当園のオリジナルアジサイの真価が直に確認できる場でもあります。

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ここに植えられたアジサイには名前のないものが多いですが、花の多くが個性的で、見ていて飽きません。

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八重の花びらがまるでバラのようで、上品なアジサイ。

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こちらも八重ですが、花びらが尖って、星のようです。咲き始めは先端が緑色っぽく、グラデーションが綺麗です。遠目で見ると上の花とさほど変わりませんが、近寄って違いを探してみると楽しく思えます。

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アジサイの花を裏から撮影してみました。

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一重でよくありがちな色ですが、こういった花があることで全体が引き締まります。

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こちらは当園の育種アジサイではなく、野生のアジサイ伊豆の華。控えめな装飾花が大変愛らしいアジサイです。

魅力的な品種もあるため、当園閉園後、これらのアジサイの中から新たな品種を作ろうと考えています。順調に事が進むと、秋には通信販売出来るかもしれません。


文章,写真:西村

温室内の水やりについて 

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6月18日 今日は温室内の水やりの方法について、お客様よりご質問をいただくことが多いため、そちらをご紹介いたします。

当園の温室内では吊り鉢と置き鉢が大小合わせて千鉢近くあります。たくさんの鉢の水やりはどう行っているのか。この点を疑問に思うお客様は非常に多く、毎日必ずご質問いただきます。

ご想像に容易いと思いますが、全ての鉢を手で水をあげると丸一日の仕事になってしまいます。園内で展示されている鉢物のほぼすべてが、細いチューブを使った自動潅水によって水やりが行われています。

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この写真は、温室内の天井に近い、梁の部分を拡大して撮影したものです。梁の中心部には太めのチューブが敷かれており、そこから一定間隔で細いチューブが伸びています。この梁に吊り鉢をワイヤーで吊るし、細いチューブを鉢に繋ぎます。

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写真下部に見えるのは、ツユクサの仲間のブライダルベール。吊り鉢に仕立ててあります。梁の部分からブライダルベールをつなぐ、2つのヒモ状のものが見えますが、奥に見えるのが吊り下げ用のワイヤー、手前の手で持ったものが細いチューブとなります。チューブには液肥の入った水が通っていて、花へ十分な水と栄養が常時送られます。

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写真はブルマットという自動潅水装置です。梁からの細いチューブは左上と繋がっていて、中央のドリッパーより水が出るようになっています。ニンジンのように見える部分は土の中の水分を感知するセンサーの役割を持っていて、土の中の水分量が少なくなると、ドリッパーより水を出して、鉢の水分が適正となるよう調整します。

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上のようにして使います。

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このシステムを使うことで管理が楽になりますが、ブルマットの見回りは欠かせません。チューブの中でコケが発生したり、花の根っこがドリッパーに侵入したりして目詰まりを起こすことがあるからです。
結局、人の目が花を育てるわけです。


文章,写真:西村

6月18日 雨の花菖蒲園 

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6月18日 きょうは午前11時過ぎより、激しい本降りの雨となりました。

強い雨に打たれ、花菖蒲もかなりうなだれており、花を美しく撮るには全く向かないのですが、雨が降っている花菖蒲園という雰囲気は、これはこれでまた良い感じでしたので、ご紹介することにしました。

そういえば、今年は今日のような本降りの雨は初めてでした。そういった意味でも、今年は天気に恵まれたシーズンでした。

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鎖樋(くさりどい)を流れる雨。雨の流れる様子を見ていると、なんだか心が落ち着きます。

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鉢物の圃場の浅池に並べられた八橋。雨に打たれると花は痛みますが、これはこれで風情があります。

昨日の炎天下の花菖蒲園と同じ場所とは思えないほど、晴れと雨とでは園の雰囲気が変ってしまいます。花の咲きぶりとその日の天候。朝と日中そして夕方で、花菖蒲園は日々刻々その表情を変えます。

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まだ無名の品種。淡い青の花色が雨とよく合います。

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確かあれは2007年の花のシーズンでしたか、開花最盛期の6月の第2日曜日にきょうと同じような本降りの雨に見舞われて、ご来園されるお客様の数も減り、とても恨めしい思いをしたことがありました。

きょうはお客様もそれほど多くなく、みなさん休憩所でのんびりと、雨に打たれる花をご覧になっていました。気候も昨日までとは打って変って肌寒いほどでした。

きょうは花を見るには良い日ではなかったですが、四季折々に変化する、日本の季節のなかの一コマでした。

花菖蒲の交配 

花菖蒲の花どきの大切な作業のひとつに、新しい花を作出するための交配作業があります。

当園は改良型の花菖蒲園で、毎年今までに見られなかった何らかの新花が見られます。それが当園の特徴の一つで、お客様にも、交配して新しい品種を作出している園というイメージが定着しています。

この作業は、なかなかご覧いただく機会もないかと思いますので、簡単にご紹介してみます。

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① まず交配する花の花弁を取り去ります。

これはめしべに花粉を付けた後で、ハナバチなどの昆虫によって違う花の花粉がめしべに付いてしまわないためです。ですから、昆虫がいない環境、たとえば室内で花を観賞しながら交配もしたい場合は、花弁を取る必要はありません。

また、交配は必ず開花1日めの花を使います。これも昆虫による雑交を避けるためです。

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② 花菖蒲のおしべとめしべです。

おしべはともかく、めしべはわかりにくいです。

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③ 花粉を取る

おしべからつまようじで花粉を取り出します。

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④ 花粉をめしべに付ける

この隙間の内側がめしべになっています。ここに花粉を入れます。

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⑤ ラベルを付ける

何と何を交配したか、目印のラベルを付けておきます。

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⑥ 子房が膨らむ

交配後、受粉していれば半月くらいで子房が膨らんできます。

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⑦ タネを収穫する

秋9月になればタネが実るので、収穫して紙袋に入れて室内で貯蔵します。

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⑧ 翌年に育苗する

翌年の春にタネをまきます。比較的大きなタネですので、まきやすくかなり良く発芽します。

芽だし後一月くらいから徐々に肥料を与えて肥やすと、6月末頃には上の写真のようになりますので、これを一本づつに鉢上げして、夏中肥培すると秋には立派な株になります。

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⑨ 気に入った花を選ぶ

そして翌年開花するので、そのなかから自分の気に入った花を選びます。

これだけの簡単な作業ですが、当園はこの作業をもう40年近く毎年行っています。その積み重ねで、今の園内の花菖蒲が出来上がってきています。

6月17日 園内景 

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6月17日 きょうは朝から暑く、日中は30℃ほどまで気温が上がりました。

真夏のような強い日差しと気温と風で、こうなるともう花菖蒲の観賞に耐えられる気候でもなく、花菖蒲も今日は花が完全に萎れてしまっていました。

明日からまた梅雨空に戻るそうですが、長年見ていますと、やはりこの花の鑑賞は、当地方ではどうも6月の15日頃までくらいかな・・と改めて思いました。

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こちらは咲き終わってきた地植え部分。こうやって見るとまだ見れるのですが、実際に現地に行ってみると、もうほとんど終わってきていることがわかります。

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でも花菖蒲園としては今月末近くまで開園しているわけで、地植えが全く終わってしまうのも寂しいもの。

そんな場合、この風の香りという品種のような、この時期が開花最盛期な極晩咲きの、しかも草丈が高くなる品種がいくらかでもあれば、花菖蒲園の開花期を長く保たせることができます。

しかし、6月中旬以降は晴れれば日差しは真夏なみで、雨が降れば強い雨になることも多く、やはり花菖蒲に向く気象条件にだんだんとなりにくい季節となってきます。

このあたりが悩ましいのです。

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こちらは入れ替えの可能な鉢物圃場。鉢植えの花菖蒲は露地植えの株より開花が10日以上遅いため、今の時期でも蕾がまだたくさんあり、今月末近くまで鑑賞が可能です。

でも草丈や花の大きさは露地植えにはかなわないですし、いくら開花期が長く伸ばせることができても、今日のような天候は、やはり花菖蒲には向きません。

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きょうもバスが何台も来て、お客様も大勢ご来園されましたが、それは経営的にはとても有難いことなのですが、やはり当園の本当の美しさをご覧いただきたかった。と思った一日でした。

明日からはまた曇りや雨になるそうで、気温25度以下で、雨や風のない、湿度の高いが続けばと思っています。

そうすれば鉢植えの部分は、まだまだ見られます。当園で、昇 龍や霓裳羽衣、泉 川などの歴史的な古花が咲くのはこれからです。

園内散策 

6月16日 今日の午後は梅雨とは思えないほど晴れ渡り、前日の雨の湿気も相まって、蒸し蒸しとした日になりました。このような日は花菖蒲の花は傷みやすく、特に写真を撮るような方には申し訳ない日でした。

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今日は園内を散策し、撮影した生き物たちをご紹介いたします。

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まるで梅雨入りに合わせたかのように、おたまじゃくしを卒業した子ガエルたち。花菖蒲の花の上で休んでいました。この時期、小さなカエルたちが園内のあちらこちらで見られます。

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スイレン池の岸辺に植えられたハンゲショウとハナアブの仲間。今年もハンゲショウが白く色づき始め、いよいよ花菖蒲の花期も終盤に近づいてきたなと感じます。
ハンゲショウの葉が白くなるのは、目立たない花を目立たせるため。ハナアブの仲間が花を求めて止まっていますが、そっちは花じゃなくて葉っぱだよ!

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園内をちょこちょこ歩くキジバト。落ちたシイの花芽をついばんでいました。ここのハトは慣れているのか、お客さまを見ても動じません。カメラを向けても逃げないハトですが、小さなお子さんにはめっぽう弱く、少しでも近づこうものなら、たちまち飛び去ってしまいます。

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アジサイの花の上で休むカナヘビ。ヘビという名前がついていますが、トカゲの仲間です。花菖蒲などの花につく、小さなバッタなどを食べてくれるため、非常にありがたい存在です。

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淡い水色と黒い紋様が美しいラミーカミキリ。他のカミキリムシに比べてすばしっこく、このあと捕まえようとすると、逃げられました。

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花菖蒲の葉っぱについたイトトンボの仲間。トンボの仲間も、害虫を食べてくれる生き物です。このほかにもオニヤンマやアカトンボ、ハグロトンボなど、季節に応じて様々なトンボの仲間が里山風景の残る園内に集まります。

花菖蒲やアジサイもいいですが、趣向を変えて、小さな生き物に目を向けてみるのもいいかもしれません。


文章,写真:西村




旧端午の日 

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6月16日 今年の旧端午だった今日、加茂荘の庄屋屋敷の土間にて、菖蒲酒(あやめざけ)の接待が行われました。

上の写真は、朝方、長屋門に厄除けの菖蒲を葺く様子です。

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加茂荘の庄屋屋敷入り口にも、菖蒲を掛けました。菖蒲を葺くこと、掛けること、ともに正月の門松と同じで、悪いことが家の中へ入らないようにするためなので、掛けても葺いても良いという考えです。

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展示用に、長い菖蒲根を掘りました。

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庄屋屋敷内で二斗樽に菖蒲を挿す当園のスタッフ。この樽は飾りで、お酒は竹筒に入れます。

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菖蒲酒用の菖蒲根。一升瓶でおよそ根茎一個ほど。多く入れれば、それだけ香りも強いお酒になります。

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そしてきょうは一日、菖蒲酒をご来園いただいたお客様にふるまいました。

昨年までは、新暦の端午の節句に行っていましたが、今年より開園が5月下旬になったため、今年から旧暦の端午の節句に行うことにしました。

でも、これが本来です。

これらの支度をしながら、なぜこういう事をやっているのだろう。と考えました。

今を生きていられるということ。それは、遠い昔から私たちの先祖が様々な知恵を残して来てくれたからです。結局、その人たちへの感謝なのだろうなと、思いました。

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青竹の猪口に入れた菖蒲酒。

日本酒に菖蒲の香りと竹の香りが移っていました。



6月15日 園内景 

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6月16日 昨日の園内の風景です。昨日は一昨日の風も止んで、午後3時頃までは雨のない梅雨空が広がりました。蒸し暑さはありますが、気温はそれほど高くなく花菖蒲には好適な日でした。

園の奥の部分の露地植えの部分は花が終ってきましたが、園の入り口に近い北の部分は入れ替えのできる鉢仕立ての花菖蒲で、現在で蕾が多くあり十分見られます。

奥の地植えが終わるとともに、手前の鉢もの部分が最盛期になってゆく。例年の当園の花菖蒲園終盤のスタイルに、今年も差し掛かってきました。

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長屋門前の花菖蒲田は、地植えですが開花が少し遅かったため、他の部分よりもまだ花が残っています。これはこれで、まだじゅうぶん美しい風景です。

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長屋門前の花菖蒲田から北方向を見た様子。品種によって終っているものや、今が最盛期な品種があることがわかります。

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こちらは鉢植えの部分。露地植えに比べると草丈が低く花も小さいですが、入れ替えが出来るので、今月27日の花菖蒲園の閉園まで、花を咲かせ続けることができます。

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花菖蒲が終盤になってくると、葉先が白く抜けてくるハンゲショウ。スイレン池の縁にたくさん見られます。

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お蔵の前に植えた姫アジサイ。在来種のアジサイで当園の新花ではありませんが、落ち着いた美しい色彩で風景として見るにはこちらの方が風情があります。

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今年は数年前からやや濃いめの藤色の花色を育成してきた成果が、やや現れ出した年でもありました。杜若色のような青がかるやや濃い藤色。この花色が多くあると、園が鮮やかに、そして上品に見えるので、数年前からこの花色を育成増殖しています。この花もそんな過程で作出したもので、名前はまだありません。

江戸時代から改良され尽くして、これ以上の変化はないと言われて久しい花菖蒲ですが、現代の感覚は前の時代にはなかったもので、その目で選んだ今の花は、やっぱり新しい現代の花なんだろうなと思います。

菖蒲酒とその作り方 

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6月15日 明日6月16日は、今年の旧暦の5月5日の端午の節句です。

先日もご紹介したように、明日6月16日は加茂荘庄屋屋敷内にて菖蒲酒(あやめざけ)の無料接待が行われます。

この菖蒲酒は、日本酒に菖蒲(サトイモ科)の根茎を浸し、その香気を移した端午の節句の厄除けのお酒です。端午の節句の風習の一つとして、古くから伝えられてきたものです。


菖蒲酒を作る
菖蒲酒はほんとうに香りが良く作り方も簡単なので、ご家庭でも是非お試しいただけたらと思うのですが、唯一のネックが肝心の菖蒲の根が簡単に手に入らないことです。

新暦の端午の節句にはフラワーショップなどで菖蒲湯用の菖蒲の葉は売られていることもあるのですが、葉では本来ではないですし、香気がやや薄いように思います。

手前味噌で申し訳ありませんが、当園の通販サイトであれば菖蒲の苗の販売もありますので、ご利用ください。

加茂花菖蒲園 花菖蒲品種画像カタログ

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サトイモ科の菖蒲(ショウブ)この根を使います。アヤメ科の花菖蒲の根では香気も厄除け効果もありませんので、必ずサトイモ科の菖蒲の根を使ってください。

菖蒲は湿地の植物ですが、極端に乾燥した場所でなければ栽培できます。性質はとても丈夫で全く手が掛からず、逆に殖えて困るほどです。菖蒲湯にも使えるので、場所があれば植えておくと便利です。

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菖蒲の根を掘ります。古い書物には一寸に九節ある菖蒲の根が良いとか書いてありますが、別段なんでもOKです。

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掘った菖蒲根をよく水で洗い、薄く斜めにスライスします。

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スライスした菖蒲根を日本酒の冷酒に入れます。入れる分量は一合に数枚程度で、お好みで加減します。

これで30分程度置けば、菖蒲の香りが日本酒に移りできあがりです。長く漬けると菖蒲のアクで酒が黄色っぽくなりますので、飲む30分程度前に作って冷やしておけば良いと思います。

味はもとの日本酒にもよりますが、清々しい菖蒲の香気が移り、とても爽やかなお酒になります。菖蒲の根が簡単に手に入らないのがネックですが、お庭のある場合は庭の片隅に植えておけば、毎年飲めます。是非お試し下さい。

スイレンが見頃です 

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6月14日 今日はお蔵の前にある、スイレン池をご紹介いたします。

当園のスイレンは、温帯性スイレンと呼ばれるグループで、北米やヨーロッパ原産のスイレンが品種改良されたものです。もうひとつのグループの熱帯性スイレンと違い、耐寒性があるため、戸外で冬越できます。

当園では、温帯性スイレンの品種改良の本場、アメリカより直輸入したスイレンを展示・栽培しています。

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黄色が目にも鮮やかな、キャロライナ・サンセットという品種。環境によっては、花びらにピンクが薄くかかることがあるそうです。黄色の花を持つスイレンは繁殖力の旺盛なものが多く、花をたくさんつけてくれます。

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黄色とピンクのツートンカラーが豪華な、ピーチース&クリームという品種。

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20センチほどの大きな花をつけ、大変ボリュームがあります。繁殖力旺盛な黄色のスイレンが片親となっているため、丈夫です。

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このスイレンはアルカンシェルという品種で、フランス語で虹を意味するそうです。花びらは細長く、星型の花をしています。葉には白い斑が入り、控え目ながら美しいスイレンです。

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ピンク色の、お碗型の花がかわいいマイラ。

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赤が美しいアトラクション。かのフランス人画家、クロード・モネが、スイレンの風景画を描くため自身の庭に植えたスイレンの一つといわれています。黄色のスイレンは丈夫なものが多いと紹介しましたが、逆に赤色のスイレンは性質の弱いものが多く、アトラクションや上のマイラは病気に弱いところがあります。

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これまで、品種ばかりを挙げましたが、こちらはツベロッサという原種。小さく、白く澄んだ花は清楚で、何の手も加えられていない。というのも素晴らしいものです。

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スイレンは葉が込み合ってくると、花の数が極端に減ってしまいます。花をたくさん咲かせるには、余分な葉を取り除く必要があるため、スタッフが池に入って葉を摘み取ります。

見ごろを迎えたスイレンは、天気にもよりますが、午後には花が閉じ始めます。十分に開いたスイレンをご覧になる場合、10時から正午あたりが良いと思います。


文章,写真:西村

志戸呂焼きと野草 

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6月15日 園内の古寺にて、開園期間中、近郊の島田市特産の焼き物、志戸呂焼きの展示会を行っています。

志戸呂焼きは一般の瀬戸、織部、伊万里などと比べかなりマイナーな焼き物で、ご存知ない方も多いと思われますが、濃茶褐色系の色彩で一見地味ながら、よく観察すると釉薬と火の加減で非常に微妙で繊細な色彩が交じり合い、たいへん味わい深い焼き物です。

前回、5月24日にもご紹介したこの志戸呂焼きですが、梅雨空の下で季節の花が咲きだしそれを挿した姿がまた美しかったので、今回はその視点からご紹介いたします。

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古寺の堂内や外に、ずっと昔からその場に置かれていたように、周囲の風景にマッチした作品が並べられています。作品だけでもたいへん興味深いのですが、そこに花が加わることで、また違った趣が感じられ、作品がより素晴らしく美しく見えます。

志戸呂焼は落ち着いた色彩で、花を殺さないので、活けた植物がより美しく見えるという点でも、とても素晴らしい焼き物です。

上の写真はヤハズススキと、白くなり始めたばかりのハンゲショウが挿してあります。

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掛け花入れに挿したヤハズススキとナスの仲間の花。ヤハズススキはススキに白い部分が現れ、それがちょうど矢羽根の模様に見えることからこの名があります。

志戸呂焼きは基本的に茶陶なので、侘茶にはとても良く似合います。

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氷柱掛け花入れに挿した夏椿。

家物語に登場する沙羅双樹。はかない一日花は、この季節の茶花の筆頭です。

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旅枕掛け花入れに挿した、ハチジョウシマススキと白いアジサイ。

この古寺は、江戸時代中期に建てられ、加茂荘の長屋門よりも古い建築と聞きますが、侘びた堂内にとてもよく似合います。

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堂の縁側に置かれた花入れにはホタルブクロとハンゲショウが挿してありました。

みなそれぞれ梅雨の季節を彩る花。古くからある花ばかりですが、侘びた花入れに挿すと、途端に味わい深い茶花に変身します。 日本の花。日本の焼き物はやっぱり良いですね。

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これらの志戸呂焼きを焼いた作家の細井陶游氏。一見とっつき難そうに見えますが、とても話好きで穏やかな方です。茶花の入れ方は、氏に言わせますと陶游氏の奥さんのほうが上手く、「女房に見せると、何この活け方はと怒られる」と話されておりましたが、私は全く茶花の入れ方には無学ですが、十分お上手とお見受けいたしました。

この志戸呂焼きの展示会は、今月27日の花菖蒲園閉園まで行われております。

また、展示品はご購入することも可能です。氏の話ではやはり花の観光地なので、花入れをご購入されるお客様も多いとのこと、ご来園の際は、ぜひお立ち寄りいただければ幸いです。


6月16日は、今年の旧暦の端午の節句です。 

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端午の節句に軒に菖蒲を葺いた加茂荘長屋門


ほんとうの端午の節句は梅雨の頃
今年は6月16日が旧暦の端午の節句です。当園ではこの日を祝って、加茂荘の長屋門などに菖蒲を葺き、庄屋屋敷内にて「菖蒲酒」の無料接待を行います。

端午の節句は、日本では新暦で5月5日の子どもの日となっていますが、本来は旧暦の5月5日、つまり新暦の6月頃の行事でした。

端午の節句は古い時代に中国で起こった風習で、暑さと湿度が急に高くなるこの季節は、様々な疾病、疫病が増加する頃。この節句はそんな5月の邪気を追い払い疫病を退ける祭りとして、今日でも中国では粽を食べ盛大に祝われています。

日本では奈良時代以前にこの風習が中国より伝えられ、魔を切り裂く鋭い剣のような葉と、香気を持った霊草 菖蒲(ショウブ サトイモ科)によって端午の邪気を払ったのが端午の節句でした。

その後の武家の時代に、菖蒲=尚武の語呂合わせから武運長久を願う武家の祭りへ、そして江戸時代に武家をはじめとする男児の出世を願ったことから男の子の祭りという印象が強くなり、昭和の戦後間もない1948年に端午の節句ではなく、「子どもの日」として制定されました。


花菖蒲は端午の節句の祭の花
このような日本の端午の節句の歴史のなかで、古来菖蒲の節句であった端午の祭りの花として、江戸時代に発達してきたのが花の咲く菖蒲(あやめ)である花菖蒲です。

ですからこの端午の節句の風習がなければ、花菖蒲は生まれて来なかったかも知れないほど、端午の節句と花菖蒲とは密接な関係を持っています。しかし、明治時代に新暦が導入されたことで約1ヶ月端午の節句が早くなり、花菖蒲は端午の節句に咲かなくなり、今では「ゴールデンウィーク」という大型連休に名を変え、古来からの文化史を消してしまう方向に流れてしまいました。

今日では「花菖蒲」という漢字が、かつての日本の花の文化を伝えています。「花菖蒲」という漢字には、端午の風習とその中で生まれたこの花の歴史そのものが詰まっています。

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菖蒲酒(あやめざけ)をお出しいたします
当園ではこういった歴史を踏まえ、先人に感謝し、伝統を尊重するため、端午の節句に菖蒲を葺き、ご来園されるお客様に端午の節句の厄除けのお酒「菖蒲酒」をふるまい、端午の節句を祝っています。

6月16日は、加茂荘の庄屋屋敷内にて、菖蒲酒の無料接待を行います。菖蒲酒とは、日本酒に菖蒲の根を浸した厄除けのお酒。清々しい菖蒲の香気がとても爽やかなお酒です。ご来園の折は、ぜひご賞味ください。

6月13日 園内景 

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6月13日 きょうは日曜日で園内は朝から大勢のお客様で賑わいました。

写真は園内にある温室内の喫茶コーナーです。頭上にはペチュニア、インパチェンスなどが吊ってあり、周囲には当園で育成されたストレプトカーパスが展示されています。

この温室も、例年なら6月中旬にもなれば暑い日が始まり、植物が傷んで来る頃ですが、今年は6月に入っても曇れば涼しい日が続いたため、植物達も美しいままの状態を保っています。

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同じく温室内のアジサイの展示。当園が育成したアジサイ「加茂セレクション」の新花などが展示されています。

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花菖蒲園の園の北端から南側を見た様子。この手前の部分やスイレン池の前の部分は、入れ替えのできる鉢植えの花菖蒲なので、咲き終わった鉢は蕾と入れ替えています。そのため開園後期まで、長い期間花菖蒲が楽しめます。

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スイレン池と休憩所。加茂荘の蔵側から見た風景です。 梅雨入りの曇り空が、水面に映っていました。

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露地植えの花菖蒲は、開花最盛期の後期になり、花数が少なくなり始めましたが、この位置から見たとき綺麗でしたので撮ったものです。

手前の黄色の花菖蒲は金星(きんぼし)という品種で、晩生のの黄花の花菖蒲です。この金星がきれいに咲いて来ると、花菖蒲のシーズンも終盤になります。

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きょうは一日曇り空が続きました。心配していた雨も、午後3時を過ぎてぱらぱら降り始めた程度で、日中は涼しい曇気候で、花を見るには好適な一日でした。

東海地方もこれで梅雨に入ったそうで、明日からは雨だそうです。 この花を見ていると、毎日毎日、少しづつ季節が進んでいることが、とてもよくわかります。


今後、当園の花菖蒲は、園の花菖蒲の約7割を占める露地植えの部分が日に日に終わり、今週末頃にはかなり咲き終わって来ると思います。入れ替えのできる鉢栽培の部分は、露地植えより開花が10日以上遅いため、今月末の閉園まで咲き続けると思います。

そのほか、園内のアジサイが見ごろを迎えて来ますので、開園終盤は、このアジサイの話題が多くなりそうです。

6月12日 園内景 

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6月12日 きょうは最盛期の土曜日とあって、朝から大勢のお客様で賑わいました。朝の6時半頃からすでに数名のお客様がご来園され、7時前頃には受付を開けて対応しました。

写真は加茂荘の蔵前の池。たくさんのスイレンがさいており見事です。

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きょうも日中晴れて暑くなりましたが、午後には雲も出たので花の痛みもさほどではありませんでした。きのうお伝えしましたように、地植え部分は最盛期の後期。お月様で言うなら17日頃の月の様態ですが、遠目には満開に見えます。

上の写真左の古寺では、きょう、明日の2日間、茶席が設けられています。

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その古寺の堂内の茶席です。ここは風通しがとてもよく、周囲の緑もとても美しく、古寺の侘びた風情が茶によく合っています。きょうは掛川市内のお茶の先生による茶席が設けられましたが、この先生もこの環境がとても好きと語っておられました。

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ご用意いただいた抹茶とお菓子。ガラスの茶碗に菖蒲のお菓子が涼しげでした。お茶席は作法なども拘らないので堅苦しくなく、どなたでも楽しめます。

外の花菖蒲園はお客様で賑わっており、気温も高く暑いですが、この場所はほんとうに気持ちよく、おいしくお茶をいただけました。

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写真コンテストと俳句コンテスト

話は変りますが、園内ではいま、写真コンテストと俳句コンテストの作品を募集しています。

写真コンテスト、俳句コンテストとも掛川花鳥園と合同で行っております。
俳句コンテストは園内の休憩所の大きなポスターのところに、応募用紙と応募箱がありますので、園内にてご応募ください。

写真コンテストのほうは、応募用紙をネットよりプリントしていただき、掛川花鳥園のほうへご応募ください。


この2つのコンテストについては、下記サイトに詳しい応募方法が紹介されていますので、ご覧ください。

俳句コンテスト 詳しくはこちらをご覧ください

写真コンテスト は こちらになります

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今年は本格的な入梅が今のところ遅れており、かなり助かりました。明日も大勢のお客様が予想されますが、気になるのは天気で、なんとか午後3時頃まで保ってくれればと思っています。


屋外のアジサイも咲き始めました 

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6月11日 昨日は温室内のアジサイを取りあげましたが、今日は屋外で咲いているアジサイたちを紹介したいと思います。

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この時期、花菖蒲とともにアジサイも見られます。2ショットなんてどうでしょうか?

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白い八重が美しいシンデレラ。咲き進むと中の両性花は薄い藤色となり、涼しげです。そろそろ梅雨がやってきますが、その時期に、この花を見ると梅雨を忘れさせてくれます。

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当園のスタッフが20年前、フランスより持ち帰ったアジサイ。フランスではブルーに咲いていましたが、当園に植えると少し赤みが強くなってしまいました。それでも色が濃く、園内でも目立つアジサイです。

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古寺の周辺に植えられている、姫アジサイ。昔からあるテマリ咲きのアジサイで、現在たくさんの種類がある西洋アジサイの元になったアジサイの一つです。

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北米原産のカシワバアジサイ。葉っぱに切れ込みが強く入り、まるでカシワの葉のように見えることから、この名前がついています。花は他のアジサイと違い、穂のように伸びて咲きます。八重咲きが有名ですが、一重咲きは少し珍しく、気温が高いと良い香りがします。

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本来は青く咲く、エーゲ海。この花はアルカリ性の土壌であったため、薄紅色に咲きました。あっさりとしていて、こんなアジサイも素敵です。


文章,写真:西村

6月11日 園内景 

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6月11日 きょうも昨日に引き続き晴天で気温も上がりました。

写真は加茂荘の長屋門前の花菖蒲田。昨年まで鉢植えの花菖蒲田だったところです。地植えにしてとても草丈も伸び、よく出来るようになりました。

でも、ちょっと品種配分を間違えまして・・・・なんだか色彩がイマイチです。 この時期に一面カラフルに咲くよう、品種を組み合わせることが大切だったととても後悔しています。開園が終わったら少し品種を植え替えようと思っています。

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園内は一面花でいっぱいです。 そう、いっぱい・・・・ いっぱいなのですが、申し明けないですが、花が終ってきました。蕾の数より花が咲き終わった後のもののほうが多くなってきました。

たくさん咲いているので、遠目には満開に見えるのですが、近寄ってみると、ああ、終わってきたな・・とわかる頃です。

こんなこと書かずに、経営的には「最盛期です。どうぞ御来園ください。」と言うのが本来ですが、実際に「最盛期」であることは確かなのですが、せっかく一年に一度、遠方よりご来園いただけるお客様に、嘘は言えません。

生き物ですから、季節のものですから。仕方ないです。 この花は日本の季節のなかで咲く花。現代人の都合で、何時までも咲き続けている花ではありません。

梅雨入りの前後に、一瞬の夢の景色を描く花。花菖蒲はそういう花です。

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長井古種系の出羽の里という品種。毎日しぼみ花は摘んでいるので、花が終わったあとの萎みはないですが、花が終わったあとの花茎が残っています。

園内ではこうした咲き終わった後の花茎が多く残っています。この花茎も切り取れば、一応咲き終わった感は薄らぐのですが、満開で花数が多く、萎みを摘み取るだけで3人のスタッフで行って1日近く掛かってしまいます。

でも、この出羽の里という品種は開花期が長いですね。先月の28日には開花していましたので、すでに15日くらい咲いています。

この品種。よく観察すると花茎に枝が多く、それで一番花、二番花が終わっても、側枝から花が咲くので開花期が長いのです。二番花で終ってしまう品種より、こういう長い間咲く品種のほうが、花菖蒲園には向いています。

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地植え部分は終盤になってきていますが、園内はさまざまな見どころも多く、きょうも多くのお客様で賑わいました。写真の加茂荘の蔵の前には、原種や長井古種など簡素な花が咲く系統ばかりが植えてあり、写真撮影の好対照になっています。

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園内の休憩所。ここでは庄屋弁当や遠州ちまき、おはたき餅やよもぎ団子などをみなさん花を見ながら食べておられました。もちろん当園は持ち込み弁当もOKです。その場合もここになります。

ただ、明日の土曜日、そして日曜日は、お昼前後は混雑が予想されます。

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花が最盛期の頃なので、園内には写真クラブの団体など、カメラを持たれたお客様も多くご来園されています。

カメラマンのマナーが悪いからと、三脚の使用禁止や撮影自体を禁止している行楽地もあると聞きますが、当園は三脚のご使用はもちろんOKです。たくさん良い写真を撮っていただければ、こちらも一生懸命栽培した甲斐があります。でも、三脚のご使用やほか諸々、他のお客様のご迷惑にならぬよう、お願いいたします。

温室内ではアジサイが見ごろです。 

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6月10日 今日は温室内で見ごろを迎え始めたアジサイをご紹介いたします。

ここで展示されているアジサイは全て、当園で育種改良されたオリジナルで、約50鉢の様々なアジサイが展示されています。

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まず、当園最新の品種、ピーターパン。咲き始めた頃は、何故かこの品種の特徴である白い覆輪が出ず、ぼけたピンク色の八重でした。
今になって覆輪が出始めて、ようやく見えるようになってきました。優しいピンクと白い覆輪がかわいらしい花で、展示アジサイの中でも一番人気のあるアジサイです。

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ほのかにピンクがかった白が清楚な星花火。先端が尖った花弁はまさに星で、派手なものが多い温室の花たちのなか、上品で、可憐な印象を受けるアジサイです。

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ぱっと見た感じは普通の手まりですが、良く見ると小さな花弁の集まりが幾何学的で、まるで、お星様をぎゅっと集めたような花が特徴のギャラクシー。

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八重のような豪華さはありませんが、白い覆輪がはっきりと出て美しい、03-19A。この花の花色は上の3種と異なり、開花後も色が変わるようで、同じ株でも枝によって、紫から赤色まで花色に若干の違いがありました。

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当園の人気品種、こんぺいとうを小さくしたような、雨に唄えば。3センチくらいの小さな花ですが、花びらの数が多く、小さいながらも存在感のある花です。

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当園の八重の品種の中で、最も濃い色を持つ、小町。濃い花色がぱっと目に付くアジサイです。

温室には他にも様々な品種が展示されていますので、是非ご自身の目でご覧ください。

また、一部販売もしておりますので、園内の花売店、もしくは通信販売をご利用ください。


文章,写真:西村

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