志戸呂焼きと野草 

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6月15日 園内の古寺にて、開園期間中、近郊の島田市特産の焼き物、志戸呂焼きの展示会を行っています。

志戸呂焼きは一般の瀬戸、織部、伊万里などと比べかなりマイナーな焼き物で、ご存知ない方も多いと思われますが、濃茶褐色系の色彩で一見地味ながら、よく観察すると釉薬と火の加減で非常に微妙で繊細な色彩が交じり合い、たいへん味わい深い焼き物です。

前回、5月24日にもご紹介したこの志戸呂焼きですが、梅雨空の下で季節の花が咲きだしそれを挿した姿がまた美しかったので、今回はその視点からご紹介いたします。

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古寺の堂内や外に、ずっと昔からその場に置かれていたように、周囲の風景にマッチした作品が並べられています。作品だけでもたいへん興味深いのですが、そこに花が加わることで、また違った趣が感じられ、作品がより素晴らしく美しく見えます。

志戸呂焼は落ち着いた色彩で、花を殺さないので、活けた植物がより美しく見えるという点でも、とても素晴らしい焼き物です。

上の写真はヤハズススキと、白くなり始めたばかりのハンゲショウが挿してあります。

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掛け花入れに挿したヤハズススキとナスの仲間の花。ヤハズススキはススキに白い部分が現れ、それがちょうど矢羽根の模様に見えることからこの名があります。

志戸呂焼きは基本的に茶陶なので、侘茶にはとても良く似合います。

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氷柱掛け花入れに挿した夏椿。

家物語に登場する沙羅双樹。はかない一日花は、この季節の茶花の筆頭です。

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旅枕掛け花入れに挿した、ハチジョウシマススキと白いアジサイ。

この古寺は、江戸時代中期に建てられ、加茂荘の長屋門よりも古い建築と聞きますが、侘びた堂内にとてもよく似合います。

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堂の縁側に置かれた花入れにはホタルブクロとハンゲショウが挿してありました。

みなそれぞれ梅雨の季節を彩る花。古くからある花ばかりですが、侘びた花入れに挿すと、途端に味わい深い茶花に変身します。 日本の花。日本の焼き物はやっぱり良いですね。

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これらの志戸呂焼きを焼いた作家の細井陶游氏。一見とっつき難そうに見えますが、とても話好きで穏やかな方です。茶花の入れ方は、氏に言わせますと陶游氏の奥さんのほうが上手く、「女房に見せると、何この活け方はと怒られる」と話されておりましたが、私は全く茶花の入れ方には無学ですが、十分お上手とお見受けいたしました。

この志戸呂焼きの展示会は、今月27日の花菖蒲園閉園まで行われております。

また、展示品はご購入することも可能です。氏の話ではやはり花の観光地なので、花入れをご購入されるお客様も多いとのこと、ご来園の際は、ぜひお立ち寄りいただければ幸いです。


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