花菖蒲 今年の成果 その1 

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6月25日 今日から2回に分けて、今年の花菖蒲の品種改良の成果についてお話いたします。

きょうはまず、濃いピンクの種類が殖えてきたことについて。

今から20年以上前の昭和の末期時代、花菖蒲のピンクの品種は、美吉野とか、乙女霞、など薄いピンクの品種が主でした。その後、1990年代になると、当園が姫小町桃 霞など、それまでの品種よりはるかに美しいピンク系の花を育成してきました。

その1990年代、時を同じくして、名古屋在住の故光田義男氏という戦後の花菖蒲の大育種家が、雛の襲千姫桜火の舞など、濃桃赤色とも呼ばれる今までにない濃いピンクの品種を多数育成しました。
これらの品種は、それまでの花菖蒲の常識を覆すほど濃いピンクの花色を持っていましたが、なにぶん性質が非常に弱く、草丈も低いため、花菖蒲園への実用性は全く見込めない代物でした。

その当時から、光田先生のピンクを草丈高く丈夫なものにしたい。という話はあり、今から思いますと、当園の私(永田)が、紅 桜という光田先生のピンクをセルフ交配した品種を作出したことで、濃桃赤色で草丈は低いが、性質だけはやや丈夫な品種が生まれました。

紅 桜は、1994年には作出されていましたが、初期の増殖が悪く、殖え出したのは2000年代の前半。そしてその頃から紅桜をもとに草丈の高いより濃い色のピンクの作出に取り組みはじめ、その成果がここ数年前から現れ始めました。

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上の写真、そして一番上の写真も、全て今年の実生で初めて咲いた花です。紅桜の鮮やかな濃桃赤には一歩譲りますが、今年はどれを取っても良いほど形質の優れた濃いピンクの品種が数多く開花し、選抜に迷うほどでした。

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これらの個体は、草丈も80cmほどに伸長し、花菖蒲園でも十分に使うことができます。また性質も比較的丈夫で繁殖も良いことも特徴です。

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一昨年の選抜品。10年前には見られなかった優れた性質を持った濃ピンクの花が多数選抜されています。

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こちらは濃ピンク地に淡いピンクの吹きかけ絞り。

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濃い桃赤色の三英花。この個体は2009年度の選抜で、すでに40株程度に殖え、繁殖も良さそうです。写真は咲き始めの花色で、開花2日目にはやや薄くなりますが、それでも濃いです。

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現在、作業場ではこれらの優先増殖品種の株分けが進められています。これらの品種は今年の秋口には花菖蒲園に植栽し、来シーズンは園内で観賞できるようにしてゆきたいと考えています。

数年後には実現すると思いますが、こんな濃いピンクの花菖蒲が園内を埋めたら、花菖蒲園もさらに鮮やかになってゆくと思っています。

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