香りすみれの育種 

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1月19日 写真とブログ担当の永田です。

きょうは生産温室のほうで行われている、香りのあるすみれの育種についてご紹介します。この香りすみれの育種は、昨年から始めたもので、昨年に交配したものが、今、生産温室で咲き揃ってきました。

当園でなぜすみれの育種を始めたかというと、当グループの社長の加茂と、親しくしていただいている株式会社ロッテ(LOTTE)の重光会長との交流から、詩人ゲーテの詩にモーツアルトが作曲した「すみれ」が話題になり、すみれの育種、特に香りのあるすみれの育種に取り組んではどうかということになり、一昨年から種子を海外より取り寄せ、昨年から改良を始めたものです。

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一般にパンジーには香りがないと考えられていますが、市販のサカタ種苗から出されてた「絵になるスミレ」シリーズのこの花はかなり香ります。こういう品種をもとに、改良に取り組みました。

パンジーの香りは人によって感じ方は様々あると思いますが、私はバラ(ローズ)の香りから酸っぱさを除いて淡くしたような上品で高級感のある香りかな・・・と感じました。パンジーがこれほど香るとは、私も初めて知りました。

パンジーにはすでに多くの品種がありますが、この花の香りを追求した育種はまだ途上で改良の余地がありそうなので、当園ではその部分に着目して育種を行うことにしました。

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現在、2000鉢ほどを試作した中から、香りのある個体を随時選抜しています。試作したなかで約半分が香りを持ち、2割ほどが特に強く香るとのことでした。香りのある個体には写真のようにピンクなどの標識を立てています。

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それとともに私が感心したのは、これらの花の花色の変異でした。写真の花は、香りこそ感じられなかったのですが、花色のパターンが抜群で、こんな珍しい特徴的な花色のパンジーは見たことがなかったので、とても驚きました。

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他にもこの花のように、淡い黄色に藤色の大きな覆輪になっていたり、

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濃い黄色に紅紫の縁取りのあるものなど、見たことのない花が咲いていて、改めて実生は面白いなと感心した次第です。

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こういう微妙な花色の花も、花壇で大量に植栽するより、鉢で一つ一つの花を楽しむのに向いています。

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この花も美しいブルーが目立っていました。

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この黄色い花も良く香っていました。香りは、花に近づいて嗅がなければわからない淡いもので、屋外に植栽したら、たぶん全く香りは感じられないことでしょう。

しかし温室の中であれば、早春の温室内をすみれの香りで満たすことはできそうです。

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香りの程度を選抜している当園の一江。

この香りすみれの育種は今年はまだ試験段階で、香りの強い個体は交配に使われますが、1000鉢ほどは2月前に神戸花鳥園で展示されるとのことです。そして来年の晩秋から早春にかけては、加茂荘の温室内で香りすみれの上品な香りが楽しめそうです。

初夏の花菖蒲アジサイ、晩秋のダイヤモンドリリーとともに、早春の香りすみれも、いずれ当園の話題の花になってくれればと思っています。


フェイスブックにも写真をたくさん紹介しましたので、ご覧ください。
香りすみれ


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コメント

いまはタキイさんのブランドとなっている、オランダの世界的育種家、故キース・サーヒンさんのビオラにかけた想いも、社長の心に多くあると思います。サーヒンさんは18歳の頃、加茂荘に住み込みで研究をされていたそうですので、社長にとっては「かわいい弟」だったんじゃないかと、思います。ちなみに、神戸の事務所にはキース・サーヒンさんを偲んで私が写真を貼っています。生前に一度お会いしたことがありますが、ユーモアと植物にたいする情熱のすごさに圧倒されました。
「ビオラ=サーヒン」。いつか、社長に聞いてみてください。

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