里山にハルリンドウが咲いています 

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4月4日 写真とブログ担当の永田です。

当園の事務所の北には、前回のブログでご紹介した新東名高速の高架が見渡せる茶畑があります。この茶畑の縁に、毎年この季節になると咲き出す野の花があります。

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地面にへばりつくように小さな青い花が咲いています。これはハルリンドウという春に咲くリンドウです。

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ハルリンドウは山の日当たりの良いやや湿ったところに生えるリンドウの仲間で、普通のリンドウが多年草なのに比べ、種子から2年で花が咲いて種子を飛ばすと株は枯れる二年草のリンドウです。

明るい春の日差しを浴びた時だけ開花し、太陽の光が当たらない時は花を閉じる性質があります。

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またこの花は、雌雄異熟といって、雄しべと雌しべが別々のタイミングで成熟する変わった性質を持っています。

写真左の花は開花して間もなく、中心に雄しべがまとまっていて、葯が開いて花粉を出ています。 一方雌しべはまだ未熟で、雄しべの下に隠れて見えません。
右の花は雄しべが花粉を出しきり、役目を終えて外側に倒れ込み、雌しべから遠ざかっています。 一方、雌しべは成熟して大きくなり、先端が2つに割れて受粉可能な状態になっています。

これは自家受粉を避け、自分とは違う遺伝子を持った別の花と受粉するための工夫なんでしょうね。

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本来は山の湿原などに見られる春の花ですが、ここでは茶畑のいちばん上の部分に群落を作って生えています。

茶畑の隅では毎年、ススキなどの夏草がはびこりますが、草刈り機で刈り取られ、早春には日光が良く当たります。草刈りがなければ、ハルリンドウはススキなどの草丈の高い植物に負けてしまって育つことができません。

人の行為がこんな可愛い花を育んでいるわけなんですね。

近年、生態系を守ろう!という意識が広く一般に浸透してきましたが、白神山地や釧路湿原、屋久島など、手つかずの自然に目が行きがちです。

みなさん意外に思われるかもしれませんが、いわゆる里地里山にも豊富な生態系があって、多くの生き物が人と持ちつ持たれつの関係で共存しています。

経済至上主義になって久しい日本ですが、生き物の豊かさは人の心の豊かさにつながると思います。当園周辺には里地里山環境が残っていますが、これからも時代の流れに左右されずにしっかり残っていけば良いなと思います。




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